[池袋] 名義預金とは|相続税の税務調査で指摘されやすいポイントを解説

query_builder 2026/08/24

相続税の税務調査で最も指摘されやすい項目のひとつが「名義預金」です。悪意がなくても、家族のために貯めていた預金が結果的に相続財産とみなされてしまうことは珍しくありません。今回は名義預金とは何か、なぜ税務署に指摘されやすいのか、そして生前からできる対策までまとめて解説します。

名義預金とは

名義預金とは、口座の名義は配偶者や子・孫になっているものの、実際にお金を管理・運用していたのは被相続人本人だった預金のことです。たとえば「子ども名義の口座を作って、親がずっと入金・管理していた」というケースが典型例です。この場合、口座の名義に関わらず、実質的な所有者は被相続人とみなされ、相続財産に含めて相続税を計算しなければなりません。

名義預金は意図的な財産隠しとして行われる場合だけでなく、「子や孫のために貯めてあげているつもり」という善意から生じるケースも多く、贈与のつもりで作った口座が結果的に名義預金と判断されてしまう例も少なくありません。

名義預金と判断されるポイント

  • 通帳・印鑑・キャッシュカードを誰が管理していたか
  • 口座への入金が誰の収入から行われていたか
  • 名義人がその口座の存在を知っていたか、自由に使える状態だったか
  • 贈与契約書の有無や贈与税の申告状況
  • 口座開設時の届出印が被相続人の他の口座と同じかどうか

単に口座名義を子や孫にしているだけでは贈与は成立しておらず、税務署からは「名義を借りただけの被相続人の財産」と判断されるリスクが高くなります。特に通帳や印鑑を被相続人が保管し続けていた場合や、名義人自身がその口座の存在を知らなかった場合は、名義預金と判断される可能性が高いとされています。

専業主婦(主夫)名義の預金にも注意

専業主婦(主夫)の方名義の預金についても、名義預金として指摘されるケースが少なくありません。婚姻期間中に配偶者の収入から家計をやりくりし、その余りを専業主婦(主夫)自身の名義で貯蓄していた場合、その預金の原資が実質的に配偶者(被相続人)の収入によるものであるとして、名義預金と判断されることがあります。これは長年にわたる家計管理の積み重ねであるだけに、当事者にとっては「自分の預金」という認識が強く、名義預金の指摘に納得しづらいケースのひとつともいわれています。日頃から家計管理の記録を残しておくことや、必要に応じて贈与の形を明確にしておくことが、こうした指摘を避けるうえで役立ちます。

税務調査で名義預金が見つかりやすい理由

税務署は相続税の税務調査にあたって、被相続人本人の口座だけでなく、家族名義の口座についても取引履歴を確認できる権限を持っています。被相続人の口座からの出金と、家族名義口座への入金のタイミングや金額が一致していると、名義預金であることが比較的容易に把握されてしまいます。また、名義人の収入状況から見て不自然に多額の預金残高がある場合も、指摘の対象になりやすいポイントです。

名義預金と疑われないための対策

  • 贈与をする際は贈与契約書を作成する
  • 贈与を受けた本人の口座に振り込み、本人が通帳・印鑑を管理する
  • 年間110万円を超える贈与は贈与税の申告を行う
  • 贈与を受けたお金は名義人が実際に使用する
  • 口座開設時の届出印は被相続人のものと別のものにする

これらの対策は、いずれも「名義人が実質的にその財産を自分のものとして管理・使用していた」という実態を作ることを目的としています。形式だけでなく実態を伴わせることが、名義預金と疑われないための最も重要なポイントです。

相続発生後にできること

すでに相続が発生している場合でも、家族名義の口座がどのような経緯で作られ、実際に誰が管理していたのかを整理しておくことは重要です。名義預金に該当する可能性がある口座を把握せずに申告してしまうと、後日の税務調査で指摘を受け、修正申告や加算税の対象になるおそれがあります。心当たりのある口座がある場合は、申告前に税理士へ相談し、相続財産に含めるべきかどうかを確認しておくことをおすすめします。

名義預金が見つかった場合の申告への影響

名義預金に該当すると判断された場合は、その口座の残高を被相続人の相続財産に含めて相続税を計算し直す必要があります。すでに遺産分割協議を終えていた場合でも、名義預金の存在が後から判明すると、協議のやり直しや修正申告が必要になることがあります。申告期限内に発見できれば当初の申告に反映させるだけで済みますが、申告後に発覚した場合は修正申告に加えて過少申告加算税や延滞税が課されるおそれもあるため、申告前の段階でできる限り洗い出しておくことが望ましいといえます。

子や孫の名義で貯めていた財産をどう扱うか

「将来子どもに渡すつもりで貯めていた」というお金であっても、贈与としての実態(契約書の作成、本人による管理、贈与税申告など)が伴っていなければ、税務上は被相続人の財産として扱われます。逆にいえば、こうした実態を整えておけば、生前贈与として認められ、非課税枠の範囲内であれば贈与税もかからず、将来の相続財産からも切り離すことができます。名義預金になってしまう典型的なパターンを理解しておくことは、将来にわたる財産移転を計画的に進めるうえでも役立つ知識といえます。

生前からできる家族への説明も大切

名義預金をめぐるトラブルは、税務上の問題だけでなく、相続人同士の認識のズレから生じることもあります。「自分名義の口座だから自分の財産だ」と思っていた相続人と、「あれは親の財産の一部だったはず」と考える他の相続人との間で、遺産分割の話し合いが難航するケースも見られます。生前に贈与の趣旨や経緯を家族に説明し、記録を残しておくことは、税務上のリスクを減らすだけでなく、相続人同士の無用な誤解を防ぐことにもつながります。

まとめ

名義預金は税務調査で最も指摘されやすい項目のひとつであり、生前の対策と記録が重要になります。すでに相続が発生している場合も、家族名義の口座がどういう経緯で作られたものか、一度整理しておくことをおすすめします。

税理士法人アウルでは、名義預金のリスク確認を含めた相続税申告のご相談を承っております。

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