[池袋] 相続税の申告期限までに遺産分割がまとまらないときの対応方法
#相続税#税理士#池袋

query_builder 2026/08/06 相続税

相続税には原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内という申告期限が設けられていますが、相続人の間で話し合いがまとまらず、期限までに遺産分割協議が終わらないまま申告日を迎えるケースは少なくないとされています。分割が終わっていない状態のまま申告すると、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減といった税負担を大きく軽減できる特例が使えなくなる場合があるため、事前にどのような手続きを踏んでおくべきかを理解しておくことが重要と考えられます。この記事では、遺産が未分割のまま申告期限を迎えた場合の基本的な考え方と、分割見込書の提出や分割確定後の更正の請求といった実務上の対応、さらに3年を超えても分割が終わらない場合の取り扱いについて、順を追って解説します。

税理士法人アウル
ロゴ
相続税の申告や税務相談について、税理士としての資格とノウハウを活かしながら対応いたします。また、池袋で弁護士や司法書士などと連携し、その他のお困り事についても一つの窓口でサポートしております。
税理士法人アウル
住所:

〒170-0013

東京都豊島区東池袋1-35-8

第一伊三美ビル401

電話番号:
0120-327-321

相続税の申告期限に関する基本的な考え方

相続税の申告期限は、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内とされています。多くの場合、この「知った日」は被相続人が亡くなった日と一致しますが、遠方に住んでいて訃報が遅れて届いた場合など、相続人ごとに知った日が異なることもあり、その結果として申告期限も相続人ごとにわずかに異なる可能性がある点は意外と知られていないところかもしれません。

この10か月という期間は、相続財産の全体像を調査し、財産を評価し、相続人全員で分割の方法を話し合い、必要な書類を整えて申告書を作成するまでの一連の作業を行うための期間ということになります。不動産や非上場株式が含まれる場合には評価作業だけでもかなりの時間を要することがあり、また相続人の数が多い場合や、疎遠になっている相続人がいる場合には、分割の話し合いそのものに時間がかかることも珍しくないと言われています。

申告期限は、あくまで税務上の手続きに関する期限であって、遺産分割協議そのものにはこうした期限は設けられていません。そのため、分割協議が長引いていても、申告期限だけは容赦なく到来してしまうという状況が生じやすく、これが「未分割のまま申告する」という場面につながっていきます。まずはこの申告期限の性質を正しく理解しておくことが、この後に説明する各種の手続きを理解する土台になると考えられます。

なお、相続人の中に海外に住んでいる方が含まれる場合には、申告書の提出や納税の方法について国内に住む相続人と異なる手続きが必要になることがあるとされています。こうしたケースでは、申告期限までに必要な資料を国境を越えてやり取りする時間も考慮しておく必要があり、通常よりも早めに準備を始めておくことが望ましいと考えられます。

実務上は、申告期限の具体的な日付を早い段階で明確にし、相続人全員が同じ認識を持てるように共有しておくことも、後のトラブルを避けるうえで有効な工夫の一つとされています。

また、相続放棄や限定承認を検討している相続人がいる場合には、原則として相続の開始を知った日から3か月以内にその判断を行う必要があるとされており、相続税の申告期限である10か月とは別の、より短い期限が存在する点にも注意が必要です。

申告期限はいつから数えるのか

申告期限の起算点となる「相続の開始があったことを知った日」は、通常は被相続人の死亡日そのものを指すことがほとんどですが、行方不明であった方について失踪宣告が出された場合や、相続人になったことを後から知らされた場合など、死亡日と知った日が異なる例外的なケースも想定されているとされています。ご自身の申告期限がいつになるのかについては、思い込みで判断せず、早い段階で確認しておくことが望ましいといえます。

また、相続人が複数いる場合、それぞれの相続人にとっての「知った日」が異なれば、申告期限も相続人ごとに異なる可能性があります。実務上は多くの相続人が同じ日に近い時期に知ることが多いため大きな問題になりにくいものの、疎遠な親族が後から相続人であることを知るようなケースでは注意が必要とされています。

特に、相続人の中に成年後見制度を利用している方が含まれる場合には、後見人が本人に代わって期限を管理する必要があるため、後見人自身も早い段階で申告期限を正確に把握しておくことが望ましいと考えられます。

実務上は、相続人ごとに「知った日」を記録に残しておくことも有効とされています。特に疎遠な親族や、離婚・再婚を経た家族構成で相続人の範囲が複雑になっている場合には、誰がいつ相続人であることを知ったのかが後から問題になることもあるため、メモや連絡記録を残しておくと安心です。

戸籍上の届出が遅れているようなケースでは、相続人としての地位そのものが確定するタイミングにも影響が及ぶことがあるとされ、家族関係が複雑な場合には特に慎重な確認が求められると考えられます。

期限に遅れた場合に生じる不利益

申告期限までに申告そのものを行わなかった場合には、無申告加算税や延滞税といった税負担が追加で発生する可能性があるとされています。これは「未分割のまま申告する」こととは区別して理解する必要がある点です。すなわち、分割が終わっていなくても、期限内に法定相続分に基づく仮の申告を行っておけば、無申告による不利益は基本的に避けられると考えられます。

つまり実務上重要なのは、分割協議の結論を待って申告を遅らせるのではなく、分割が未了であっても期限内に申告そのものは済ませておくという発想の転換です。この考え方を踏まえたうえで、次の章から未分割のまま申告する際の具体的な取り扱いを見ていきます。

なお、無申告加算税の負担は、自主的に期限後申告を行った場合と、税務署からの指摘を受けてから申告した場合とで異なる取り扱いになるとされています。いずれにしても、未分割であることを理由に申告自体を先延ばしにすることは避け、まずは仮の申告を済ませておくという姿勢が重要と考えられます。

延滞税についても、納付が遅れた期間に応じて負担が積み上がっていく仕組みとされているため、分割協議の結論を待つ姿勢そのものが、結果的に税負担を増やす方向に働きかねない点を理解しておくことが大切です。

相続放棄の期限を過ぎてしまった場合には、原則として単純承認したものとみなされ、債務も含めてすべての遺産を相続することになるとされているため、この期限についても申告期限とは別に意識しておく必要があります。

なお、無申告加算税や延滞税といった付帯税は、期限内に一部でも誠実に対応していたかどうかによって、その後の税務署との折衝の余地にも影響することがあるとされています。

遺産分割が期限内にまとまらない主な要因

遺産分割協議が申告期限までに終わらない背景には、いくつかの典型的な要因があると考えられます。まず挙げられるのは、相続人同士の考え方の違いです。誰がどの財産を取得するか、あるいは介護や生前の援助といった事情をどのように分割内容に反映させるかについて、相続人間で意見が一致しないまま時間が経過してしまうことがあります。

次に、財産調査や財産評価そのものに時間がかかるケースも少なくないとされています。特に不動産が複数ある場合や、非上場会社の株式が含まれる場合、あるいは相続人自身も把握していなかった財産が後から見つかるような場合には、評価額を確定させるまでに相応の時間を要することがあります。評価額が固まらなければ、公平な分割方法についての話し合いも進めにくくなるという事情があります。

さらに、相続人の中に未成年者や認知症等により判断能力が十分でない方が含まれている場合には、通常の話し合いだけでは分割協議を有効に成立させることができず、特別代理人や成年後見人の選任といった別の手続きを経る必要が生じることもあります。こうした手続きにも一定の時間がかかるため、結果として申告期限までに分割が終わらない一因になり得ると考えられます。

加えて、被相続人が事業を営んでいた場合や、複数の家庭にまたがる相続人がいる場合(いわゆる後妻・先妻の子どもがいるケースなど)には、財産の範囲や取得の希望が複雑に絡み合い、通常の家庭以上に分割協議が長期化しやすい傾向があるとされています。こうした事情がある場合には、早い段階から専門家の関与を検討しておくことが望ましいと考えられます。

このほか、相続人の中に長期間音信不通の方が含まれている場合には、まず居所を確認する調査自体に時間がかかることもあり、分割協議を始める前段階で足踏みしてしまうケースもあるとされています。

被相続人に多額の債務があった場合や、債務の存在自体が判明していない場合にも、まず債務の状況を確認する作業が必要になり、これが分割協議の開始を遅らせる要因になることがあるとされています。

相続人間の意見の相違

遺産分割は相続人全員の合意がなければ成立しないという性質を持つため、一人でも異論があれば協議は前に進みません。生前の関わり方の違いや、特定の相続人が受けた援助の有無など、感情的な側面が絡むことも多く、時間をかけて話し合いを重ねても結論に至らないことがあるとされています。こうした場合には、税理士だけでなく弁護士など第三者の専門家に間に入ってもらうことも検討に値すると考えられます。

意見の相違が長期化しそうな場合には、後述する分割見込書などの手続きを早めに検討しておくことで、特例が使えなくなるリスクをある程度抑えられる可能性があります。

また、相続人の中に居住地が遠方にある方や、健康上の理由で頻繁に集まることが難しい方が含まれている場合には、対面での話し合いの機会そのものが限られ、結論に至るまでの時間が延びる傾向があるとされています。オンラインでの会議や書面でのやり取りを併用するなど、状況に応じた工夫も検討に値します。

感情的な対立が深まってしまう前に、専門家を交えた中立的な場で話し合いの機会を設けることが、結果的に早期の合意形成につながりやすいとも言われています。

話し合いの記録を議事録のような形で残しておくことも、後になって「言った・言わない」といった水掛け論を防ぐうえで有効な工夫の一つとされています。

財産調査や評価に時間を要するケース

不動産の評価には路線価や固定資産税評価額などを用いた計算が必要であり、形状が特殊な土地や、複数の権利が絡む土地については、評価そのものに専門的な判断を要することがあります。非上場株式についても、会社の業績や資産内容を踏まえた評価作業が必要になるため、決算資料の収集や分析にまとまった時間がかかることがあるとされています。

このように評価作業に時間を要する場合には、分割協議自体を始める前提となる「財産の全体像」がなかなか固まらず、結果として申告期限までの分割が難しくなる傾向があると考えられます。早い段階から専門家に相談し、評価作業と分割協議を並行して進めておくことが望ましいといえます。

特に、被相続人が複数の金融機関に口座を持っていた場合や、古い取引で権利関係が整理されていない不動産を所有していた場合には、財産の存在自体を確認する作業から始める必要があり、想定より多くの時間を要することがあるとされています。

また、相続開始前に被相続人名義から他の家族名義へ移された財産がある場合には、その経緯についても確認が必要になることがあり、こうした確認作業が評価や分割協議の前提を整えるうえで欠かせない場合があるとされています。

相続開始後にようやく存在が判明した財産については、当初の申告に反映できないこともあり、後から修正申告が必要になる場合もあるとされているため、財産調査はできる限り早期かつ網羅的に行うことが望ましいと考えられます。

財産調査を専門家に依頼する場合には、必要となる資料の一覧を早めに提示してもらい、金融機関や役所への照会を並行して進めておくことで、調査全体の期間を短縮できる可能性があります。

未分割のまま申告する場合の基本的な取り扱い

申告期限までに遺産分割協議がまとまらない場合には、各相続人が民法に定められた相続分、いわゆる法定相続分に従って遺産を取得したものと仮定して、相続税の申告を行うのが一般的な取り扱いとされています。これはあくまで申告上の仮の取り扱いであり、実際の分割内容がこれと異なる結果になったとしても、その時点では特に問題視されるものではないと考えられます。

この場合、相続税の総額をいったん算出したうえで、各相続人が法定相続分に応じた金額を、それぞれ自身の申告書によって申告し、納税することになります。相続税の申告は相続人が連名で一つの書類を提出する形が実務上多く用いられていますが、法律上は各相続人が個別に申告義務と納税義務を負っているという点は理解しておく必要があるとされています。

なお、未分割の状態で申告した場合であっても、遺産の総額や各財産の評価額そのものを正確に把握し、法定相続分に基づく計算を適切に行っておくことが前提になります。分割方法が決まっていないからといって、財産の調査や評価を後回しにしてよいわけではない点に注意が必要です。

なお、分割が確定するまでの間、不動産などの財産は法律上、相続人全員の共有状態にあるとされています。この共有状態のままでは売却や大規模な処分が難しくなることが多いため、納税資金の確保や資産の活用を検討する際には、この点も踏まえて対応を考える必要があると考えられます。

このため、未分割の期間が長引くほど、財産の管理や活用に関する意思決定そのものが行いにくくなる傾向があり、この点も早期の分割を目指すべき理由の一つとして挙げられると考えられます。

預貯金についても、分割が確定するまでの間は原則として相続人全員の同意がなければ自由に引き出すことができないとされており、この点が納税資金の準備を難しくする要因の一つになっていると考えられます。

法定相続分による仮の申告とは

法定相続分とは、民法が定める、相続人の組み合わせに応じた取得割合の基準です。配偶者と子どもが相続人であるケースや、配偶者と兄弟姉妹が相続人であるケースなど、家族構成によって割合の考え方が異なります。未分割のまま申告する場合には、実際にどの財産を誰が取得するかが決まっていない状態でも、この法定相続分の割合を用いて各相続人の取得額を仮に計算し、それに基づいて税額を算出することになります。

この仮の計算はあくまで申告時点のものであり、後日分割が確定した際には、実際の取得額に基づいて税額を再計算し、多く納めていた相続人は還付を、少なく納めていた相続人は追加の納税を行う形で調整することになるとされています。

なお、法定相続分は家族構成によって異なるため、自身のケースでどの割合が適用されるのかを正確に把握しておくことが、仮の申告を行う際の前提になります。判断に迷う場合には、戸籍謄本などをもとに相続人の範囲と順位を専門家に確認してもらうことが望ましいと考えられます。

代襲相続が生じているケースなど、通常よりも相続人の構成が複雑な場合には、法定相続分の計算そのものが分かりにくくなることがあるため、家系図を整理しながら確認する作業が有効とされています。

養子がいる場合や、相続人の一部が既に亡くなっている場合など、法定相続分の考え方が通常のケースと異なる家族構成もあるため、自身の家族構成に当てはめた際の割合を事前に確認しておくことが望ましいと考えられます。

各相続人が個別に申告義務を負う点

相続税の申告は、実務上は相続人全員の氏名を記載した一つの申告書を共同で提出する形が広く用いられていますが、法律上はあくまで各相続人がそれぞれ独立して申告義務と納税義務を負っているという点に留意が必要です。分割協議がまとまらず相続人間の関係がぎくしゃくしている場合には、共同での申告書作成自体が難しくなることもあり、そのような場合には各相続人が別々に申告書を提出することも可能とされています。

いずれの形で申告するとしても、期限内に申告と納税を行うこと自体は各相続人それぞれの責任であるという点は変わりません。他の相続人の対応を待つあまり自身の申告が遅れてしまうと、不利益を受けるのは自分自身になってしまうため、注意が必要です。

相続人間の関係が悪化している場合には、あえて連名ではなく別々に申告書を提出することで、他の相続人の対応の遅れに自身の申告が影響されないようにするという判断も、実務上とられることがあるとされています。

連絡が取りづらい相続人がいる場合には、内容証明郵便などの記録が残る方法で連絡を試みておくことも、後に自身の対応に問題がなかったことを示すうえで有効とされています。

また、未成年の相続人がいる場合には、その相続人本人ではなく法定代理人が申告や納税の手続きを代わって行う必要があるとされており、通常のケースよりも手続きが一段階増える点にも注意が必要です。

共同で申告書を作成する場合であっても、各相続人が申告内容を自分自身できちんと確認したうえで署名することが、後日のトラブルを防ぐうえで大切と考えられます。

小規模宅地等の特例が使えなくなるリスクとその対応

小規模宅地等の特例は、被相続人が居住していた土地や事業に使っていた土地について、一定の要件のもとで評価額を大きく減額できる制度として広く知られていますが、この特例は原則として、申告期限までに実際にその土地が分割され、取得者が確定していることが前提とされています。したがって、遺産が未分割のままでは、この特例の適用を受けることができないという取り扱いになるとされています。

ただし、分割が終わっていないという理由だけで特例の適用機会が完全に失われてしまうわけではありません。申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」という書類を添付して提出しておくことで、申告期限後3年以内に分割が確定した場合には、特例の適用を受け直すことができる仕組みが用意されているとされています。この3年という期間は、申告した日からではなく、法律上定められた申告期限そのものから数えるとされている点に注意が必要です。

この分割見込書は、あくまで最初の申告のタイミングで提出しておく必要があるとされており、後から思い出して追加提出するといった対応はできないとされています。分割が未了のまま申告することが分かった時点で、この書類の提出を忘れないようにすることが実務上非常に重要になります。

分割見込書に記載する内容や、適用を予定している特例の範囲については、申告時点でできるだけ具体的に記載しておくことが望ましいとされています。将来どの特例を使う可能性があるかを漏れなく記載しておくことで、実際に分割が確定した際の選択の幅を狭めずに済むと考えられます。

小規模宅地等の特例は減額割合が大きい制度であるため、適用の有無によって最終的な納税額への影響も大きくなりやすく、分割見込書の提出漏れが生じないよう特に注意が必要な特例の一つとされています。

また、小規模宅地等の特例は複数の土地がある場合にどの土地に適用するかを選択できる仕組みになっているとされており、未分割の状態が解消した後にどの土地を対象とするかについても、あらためて相続人間で検討する必要が生じることがあります。

申告期限後3年以内の分割見込書の提出

分割見込書は、未分割の財産について将来的に小規模宅地等の特例などの適用を受けたいという意思を示すための書類であり、最初の相続税の申告書に添付して提出する必要があるとされています。この書類には、分割されていない理由や、将来的にどのような特例の適用を予定しているかなどを記載することが求められるとされています。

この書類の提出を忘れてしまった場合、後日分割が確定しても特例の適用を受けられなくなってしまう可能性があるとされているため、未分割のまま申告することが判明した段階で、税理士等の専門家に相談しながら、必要な書類を漏れなく揃えておくことが望ましいと考えられます。

分割見込書は相続税の申告書の一部として位置づけられているため、通常の申告書作成の流れの中で準備することができますが、税理士に依頼せず自身で申告書を作成する場合には、この書類の存在自体を見落としてしまうリスクもあるとされています。未分割での申告を検討する際には、この書類の存在を必ず確認しておくことが重要です。

複数の特例の適用を検討している場合には、それぞれの特例ごとに要件や必要書類が異なることもあるため、一つずつ丁寧に確認しながら準備を進めることが望ましいと考えられます。

分割見込書を提出したという事実だけで特例の適用が保証されるわけではなく、あくまで将来分割が確定した際に適用を検討できる状態を維持するための手続きである点も理解しておく必要があります。

分割確定後の更正の請求手続き

分割見込書を提出しておいたうえで、申告期限後3年以内に実際に分割が確定した場合には、その分割の日の翌日から4か月以内に「更正の請求」という手続きを行うことで、小規模宅地等の特例を適用した内容に基づいて税額を再計算し、納めすぎていた税金の還付を受けられる場合があるとされています。

反対に、法定相続分による仮の取得額よりも実際の取得額が増えた相続人については、税額が不足することになるため、こちらは更正の請求ではなく「修正申告」という別の手続きによって不足分を納める必要があるとされています。分割が確定した際には、増えた相続人・減った相続人のそれぞれで必要な手続きが異なる点を押さえておくことが大切です。

更正の請求を行う際には、更正の請求書に加えて、分割の内容を証明する資料や、特例の適用要件を満たすことを示す資料を添付する必要があるとされています。必要な資料は特例の種類によって異なるため、事前に税理士へ確認しながら準備を進めることが望ましいと考えられます。

更正の請求の期限である4か月は決して長い期間ではないため、分割が確定した時点で速やかに専門家へ連絡し、手続きに必要な資料の準備を始めることが望ましいと考えられます。

更正の請求が認められるかどうかは税務署による審査を経て決まるため、必ずしも請求内容がそのまま認められるとは限らない点も踏まえ、書類の整合性には十分な注意を払っておくことが望ましいと考えられます。

更正の請求書の提出先は、原則として申告書を提出した税務署と同じ税務署になるとされているため、当初の申告先を控えておくことも実務上役立つと考えられます。

配偶者の税額軽減が使えなくなるリスクとその対応

配偶者には、取得した財産の額に応じて相続税の負担を大きく軽減できる配偶者の税額軽減という制度が設けられていますが、この制度も小規模宅地等の特例と同様に、原則として申告期限までに配偶者が実際に取得する財産が確定していることが前提となる制度とされています。そのため、遺産が未分割のままでは、この軽減を適用せずに、いったんは軽減前の税額で申告することになると考えられます。

この点についても、前章で説明した分割見込書を申告時に提出しておくことで、申告期限後3年以内に分割が確定した際には、配偶者の税額軽減を適用した内容へ修正する余地が残されているとされています。配偶者の取得割合が大きい家庭では、この軽減が使えるかどうかで納税額が大きく変わることもあるため、分割見込書の提出をうっかり忘れることのないよう、特に注意が必要な制度といえます。

なお、配偶者の税額軽減と小規模宅地等の特例は、それぞれ別の制度ではあるものの、未分割の場合の基本的な対応の考え方(分割見込書の提出、分割確定後の更正の請求)は共通しているとされています。両方の適用を予定している場合には、いずれの特例についても分割見込書に記載しておく必要があると考えられます。

配偶者の税額軽減は、税負担を軽減できる範囲が大きい制度であるだけに、未分割のままではその適用機会をいったん失う点が特に大きな影響を及ぼしやすい制度ともいえます。配偶者の取得予定財産が家族の間である程度話し合われていたとしても、分割協議書という形で正式に確定させるまでは適用を受けられない点を、家族全体で理解しておくことが望ましいと考えられます。

配偶者の税額軽減を適用するかどうかは、目先の税負担だけでなく、将来配偶者自身の相続が発生した際の負担にも関わってくるため、単純に軽減を最大限使うことが常に有利とは限らないともいわれています。分割内容を検討する際には、こうした先を見据えた視点も踏まえておくことが望ましいと考えられます。

なお、配偶者の税額軽減の対象となるのは、法律上の婚姻関係にある配偶者に限られるとされており、いわゆる事実婚の関係にある方は対象とならない点にも留意が必要です。

配偶者の税額軽減における未分割財産の取り扱い

配偶者の税額軽減は、配偶者が実際に取得した財産の額を基準に軽減後の税額を計算する仕組みであるため、財産が未分割の状態では「配偶者が取得した財産の額」そのものが確定していないことになり、軽減を適用することができないとされています。この場合、いったんは法定相続分に基づく仮の取得額を前提に、軽減を適用しない形で税額を計算して申告することになります。

この仮の申告の段階では配偶者の負担がやや大きく見えることもありますが、後述するとおり分割確定後に軽減を反映させる手続きが用意されているため、慌てずに手続きを進めることが大切と考えられます。

この仮の申告の段階で軽減を適用せずに計算した税額は、あくまで一時的なものであり、最終的な負担額を示すものではありません。金額だけを見て過度に心配する必要はなく、分割確定後の手続きを見据えて落ち着いて対応することが大切と考えられます。

配偶者控除の対象となる財産の範囲には一定の考え方が設けられているとされていますが、具体的な適用範囲は個々の状況によって異なる要素も多いため、詳細は専門家に確認することが望ましいと考えられます。

配偶者以外の相続人にとっても、配偶者の取得額が確定しなければ自身の取得額や税額の見通しが立てにくくなることがあるため、家族全体で早期の分割を目指す動機として理解しておくとよいと考えられます。

分割確定後に軽減を反映させる手続き

分割見込書を提出しておいたうえで、申告期限後3年以内に分割が確定し、配偶者が取得する財産の額が確定した場合には、小規模宅地等の特例と同様に、分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求を行うことで、配偶者の税額軽減を反映させた形へ税額を修正できる場合があるとされています。

更正の請求を行う際には、分割の内容が分かる書類(遺産分割協議書の写しなど)を添付する必要があるとされており、分割協議書の作成と保管を適切に行っておくことも、この手続きをスムーズに進めるうえで欠かせないポイントになると考えられます。

更正の請求が認められて還付を受けられる場合、還付までには一定の審査期間が必要になるとされています。資金計画を立てる際には、還付がすぐに行われるとは限らない点も踏まえておくことが望ましいと考えられます。

更正の請求の際に添付する分割協議書は、相続人全員の署名・押印が整ったものである必要があるとされているため、分割が確定した段階で速やかに正式な協議書を作成しておくことが望ましいと考えられます。

配偶者が複数回にわたって財産を取得するような分割方法を選ぶ場合には、更正の請求のタイミングや対象範囲についても複雑になることがあるため、事前に専門家と手続きの進め方を確認しておくことが望ましいと考えられます。

配偶者の税額軽減に関する更正の請求は、他の相続人の更正の請求や修正申告と合わせて検討する必要がある場合もあるため、相続人全体の状況を踏まえて進めることが望ましいと考えられます。

3年を超えても分割できない場合の対応

分割見込書を提出していても、相続人間の争いが訴訟や家庭裁判所での調停・審判に発展している場合など、申告期限後3年を経過してもなお分割が確定しないケースも考えられます。このような場合には、特例の適用を受ける機会が完全に失われてしまうのではないかと不安になる方もいるかもしれませんが、一定の「やむを得ない事情」があると認められる場合には、さらに手続きを進める余地が用意されているとされています。

具体的には、「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」という書類を、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までに、所轄の税務署長に提出し、承認を受ける必要があるとされています。この承認を受けることができれば、実際に分割が確定した後、あらためて特例の適用を受けるための更正の請求を行う道が残されることになります。

ここで注意したいのは、単に相続人同士の話し合いがまとまらないというだけでは、原則としてこの「やむを得ない事情」には当たらないと考えられている点です。訴訟や家庭裁判所の調停・審判が現に進行している場合や、遺言の効力について争いがある場合など、客観的に見て分割が困難であると認められる事情が求められるとされています。該当するかどうか判断に迷う場合には、早めに税理士に相談することが望ましいといえます。

「やむを得ない事情」として認められる例としては、遺産分割そのものをめぐる訴えのほか、遺言の効力自体を争う訴訟や、相続人の資格の有無(認知や相続人の存否など)が裁判で争われている場合なども挙げられるとされています。いずれも、相続人間の単純な意見の相違とは異なり、法的な手続きによらなければ解決できない性質の争いである点が特徴といえます。

やむを得ない事情の承認を受けられるかどうかは個別の事情によって判断が分かれる部分もあるとされているため、承認申請を検討する段階から税理士に相談し、申請内容を慎重に整えておくことが望ましいと考えられます。

承認を受けられなかった場合には、その後分割が確定しても更正の請求によって特例の適用を受けることが難しくなる可能性があるとされているため、承認申請の手続きは軽視せず、確実に対応しておくことが重要と考えられます。

訴訟や調停が続いている場合の考え方

遺産分割をめぐって相続人間の話し合いがまとまらず、家庭裁判所での調停や審判に持ち込まれることがあります。調停や審判による解決には一定の時間がかかることが多く、申告期限後3年以内に結論が出ないことも十分に考えられます。このように裁判所の手続きが現に進行している状況は、やむを得ない事情として認められる可能性がある典型的な例として位置づけられているとされています。

調停や審判が進行している間も、相続税に関する各種の期限は独立して進んでいくため、裁判所の手続きの進み具合と税務上の手続きの期限の両方を、専門家と連携しながら並行して管理していくことが重要と考えられます。

調停や審判が長期化する場合には、途中の段階で見通しを税理士等と共有し、承認申請書の提出時期を逃さないようにすることが大切です。裁判所の手続きに集中していると、税務上の期限の存在を見落としてしまうこともあるため、両方を並行して意識しておく必要があります。

調停が不成立となり審判に移行する場合など、手続きの区切りごとに状況が変化することもあるため、進行状況を定期的に確認し、必要な届出のタイミングを逃さないようにすることが大切です。

訴訟や調停の当事者になっていない相続人であっても、分割が確定しなければ自身の申告内容にも影響が及ぶため、当事者以外の相続人も状況を継続的に把握しておくことが望ましいと考えられます。

やむを得ない事情に関する届出と承認申請

やむを得ない事情があるとして承認を受けるための申請書は、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月を経過する日までという、比較的短い期間内に提出する必要があるとされています。この期限は、前章で説明した分割確定後の更正の請求(分割の日の翌日から4か月以内)とは全く別のものであるため、両者を混同しないように注意が必要です。

承認申請が認められた場合には、その後実際に分割が確定した日から一定期間内に、あらためて更正の請求を行うことで特例の適用を受けられる可能性が残ります。手続きが複数の段階に分かれており、それぞれに異なる期限が設定されているため、専門家とともにスケジュールを一覧化しておくことが実務上有効と考えられます。

承認申請書には、やむを得ない事情の具体的な内容や、これまでの裁判所での手続きの進行状況などを記載することが求められるとされています。申請内容に不備があると承認が受けられない可能性もあるため、専門家の助言を受けながら準備することが望ましいと考えられます。

承認申請書の提出後、税務署からの確認や追加の資料提出を求められることもあり得るとされているため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めておくことが望ましいと考えられます。

承認申請書の作成にあたっては、これまでの調停や訴訟の経過を示す資料を裁判所などから取得しておく必要があるとされているため、必要な資料の収集にも一定の時間がかかることを見込んでおくことが望ましいと考えられます。

やむを得ない事情の承認を受けた後であっても、その後の分割協議の進行状況について、定期的に税理士へ報告し確認しておくことが望ましいと考えられます。

未分割のまま申告する際に生じるその他の実務上の留意点

未分割のまま相続税を申告する場合には、特例の適用に関する手続き以外にも、実務上気をつけておきたい点がいくつかあると考えられます。まず挙げられるのは、納税資金の準備です。分割が終わっていない状態であっても、各相続人は法定相続分に応じた税額を期限内に納める必要があるため、遺産の中に現金や預貯金が少なく、大部分が不動産などの分けにくい財産である場合には、納税資金の確保そのものが課題になることがあります。

また、被相続人が生前に得ていた所得については、相続開始から4か月以内に準確定申告という別の手続きを行う必要があるとされており、こちらは遺産分割協議の状況とは関係なく期限が進んでいく点に注意が必要です。相続税の申告準備と並行して、準確定申告の対応も忘れずに進める必要があります。

さらに、分割協議が長期化する中で、一部の相続人が生活費等のために遺産の一部を先行して取得したいと考えるケースもあり得ますが、このような対応を行う場合には、後の分割内容や特例の適用にどのような影響が生じるかを、事前に専門家へ確認しておくことが望ましいと考えられます。安易に個別の判断で財産を動かしてしまうと、後の手続きが複雑になる可能性があります。

また、被相続人が生命保険に加入していた場合、死亡保険金は原則として受取人の固有の財産として、遺産分割の対象とならずに受け取れることが多いとされています。分割協議が長引きそうな場合には、こうした形で早期に受け取れる資金の有無も、納税資金対策の一つとして確認しておくとよいと考えられます。

加えて、未分割の状態が続く中で相続人の一人が固定資産税などの費用を立て替えている場合には、後の分割協議の中でその扱いについても話し合っておく必要があるとされています。

未分割の期間が長引くと、配偶者など同居していた相続人の生活費や、施設利用料といった当面の資金についても、遺産から直ちに支出することが難しくなる場合があるため、生活資金の確保についても早めに見通しを立てておくことが望ましいと考えられます。

納税資金の準備をどう考えるか

相続税は原則として現金による一括納付が求められる税金であるため、遺産の中に十分な現金や預貯金がない場合には、各相続人が自身の手元資金から納税資金を用意する必要が生じることがあります。未分割の状態では、預貯金そのものも相続人全員の同意がなければ自由に引き出せないことがあるとされており、納税資金の確保が思うように進まないケースも考えられます。

このような場合には、延納(分割払い)や、場合によっては金融機関からの借入れなど、他の資金調達の方法も含めて早めに検討しておくことが望ましいと考えられます。納税資金の見通しが立たないまま期限が近づいてしまうと、選択できる対応の幅が狭くなってしまう可能性があります。

延納を利用する場合には、原則として担保の提供が必要になるとされており、担保として提供できる財産の有無もあらかじめ確認しておく必要があります。分割協議が長引いている状況では、担保として提供する財産についても相続人間の調整が必要になることがある点に注意が必要です。

相続税の納付方法には現金一括のほかに延納や、一定の要件のもとで財産そのものを納める物納といった方法も用意されているとされていますが、いずれも一定の条件を満たす必要があるため、早めに選択肢を確認しておくことが望ましいと考えられます。

相続人の中に納税資金の準備が難しい方がいる場合には、他の相続人が一時的に資金を融通することも実務上あり得ますが、その場合の返還方法などについても事前に取り決めておくことが望ましいと考えられます。

準確定申告や他の相続手続きとの関係

被相続人に一定の所得があった場合には、亡くなった年の所得について、相続人が代わって所得税の申告を行う準確定申告という手続きが必要になるとされています。この手続きの期限は相続開始を知った日の翌日から4か月以内とされており、相続税の申告期限である10か月よりも早く到来する点に注意が必要です。

遺産分割協議が長引いている状況では、相続税以外にもこうした複数の期限が並行して進んでいることを見落としがちになるため、全体のスケジュールを一度整理し、それぞれの期限に漏れなく対応できるよう管理しておくことが大切と考えられます。

準確定申告についても、相続人が複数いる場合には原則として共同で行うこととされていますが、相続税の申告と同様に、それぞれの相続人が個別に対応せざるを得ない場面も想定されます。両方の申告に共通する資料も多いため、まとめて専門家に依頼することで手続きの効率化を図れる場合があると考えられます。

準確定申告の対象となる所得の範囲や必要な書類は、被相続人の生前の収入形態によって異なるため、給与以外の収入があった場合には特に早めの確認が望ましいと考えられます。

準確定申告により所得税の還付が発生する場合、その還付金も遺産の一部として扱われるとされているため、還付の有無や金額についても分割協議の中で把握しておく必要があると考えられます。

準確定申告の手続きを税理士に依頼する場合には、相続税の申告とあわせて依頼することで、必要な資料を一度に整理でき、手続き全体の見通しを立てやすくなると考えられます。

未分割の状態を避けるためにできること

ここまで見てきたとおり、遺産が未分割のまま申告期限を迎えても、分割見込書の提出や更正の請求といった手続きを適切に踏むことで、特例の適用機会をある程度確保できる仕組みは用意されています。しかし、これらの手続きはあくまで代替的な救済策という位置づけであり、可能であれば申告期限までに分割協議を終えておくことが、手続きの手間や不確実性を減らすうえで望ましいと考えられます。

そのためには、相続が発生した早い段階から財産の調査を始め、財産の全体像をできるだけ早く相続人全員で共有しておくことが有効とされています。財産の内容が明らかになれば、分割方法についての話し合いも具体的に進めやすくなり、感情的な対立に発展する前に落ち着いた協議ができる可能性が高まると考えられます。

また、相続人同士の話し合いだけで進めることに不安を感じる場合や、財産の内容が複雑で評価に時間がかかりそうな場合には、早めに税理士などの専門家に相談し、財産調査・評価と分割協議のスケジュールを並行して管理してもらうことも一つの方法です。専門家への相談は分割協議が難航してからでも遅くはありませんが、早い段階から関わってもらうことで、未分割のまま申告期限を迎えるリスクそのものを減らせる可能性があると考えられます。

また、財産の状況や相続人間でのやり取りの記録を日頃から整理しておくことも、将来的な分割協議を円滑に進めるうえで役立つと考えられます。特に、生前に特定の相続人へ資金援助を行っていたような事情がある場合には、その経緯を書面で残しておくことで、後の話し合いで感情的な対立を招きにくくなる可能性があります。

分割協議の進め方に不安がある場合には、初回の相談だけでも早めに専門家の意見を聞いておくことで、その後の見通しを立てやすくなる場合があると考えられます。

もっとも、分割協議を急ぐことだけを優先し、十分な話し合いを経ずに結論を出してしまうと、後になって別の不満が生じることもあり得るため、期限を意識しつつも、必要な話し合いの時間を確保するという両立を図ることが望ましいと考えられます。

早期の財産調査と相続人間の話し合いの重要性

相続が発生した直後は、葬儀や各種の事務手続きに追われ、財産調査に着手するタイミングが遅れてしまうことも少なくありません。しかし、財産調査に時間がかかるほど、分割協議に使える時間的な余裕が少なくなり、結果として未分割のまま申告期限を迎えるリスクが高まると考えられます。

できるだけ早い段階で、預貯金や不動産、有価証券などの財産の全体像を洗い出し、相続人全員で情報を共有しておくことが、円滑な分割協議の第一歩になると考えられます。財産の全体像が見えないまま話し合いを進めようとすると、疑心や不安から協議が長引く原因になりやすい点にも注意が必要です。

財産調査の際には、預貯金や不動産だけでなく、生命保険や有価証券、さらには債務(借入金など)についても漏れなく確認しておくことが重要とされています。財産と債務の全体像を早期に把握しておくことで、分割協議の前提となる情報が整い、話し合いもスムーズに進みやすくなると考えられます。

財産の一覧表を作成し、相続人全員がいつでも同じ情報を確認できるようにしておくことも、話し合いを円滑に進めるための工夫として有効とされています。

財産調査の段階から専門家に関与してもらうことで、調査の網羅性が高まるだけでなく、その後の分割協議や申告手続きへの移行もスムーズになりやすいと考えられます。

専門家に相談するタイミングの目安

相続人同士の話し合いが平行線をたどり始めた、あるいは財産の評価が複雑で自分たちだけでは判断が難しいと感じた時点は、専門家に相談を検討する一つの目安になると考えられます。早めに相談することで、分割見込書の提出漏れといった手続き上のミスを防ぎやすくなるだけでなく、話し合いの進め方自体についても客観的な助言を受けられる可能性があります。

すでに申告期限が近づいている場合であっても、未分割のまま申告する際に必要な手続きを整理し、期限内に確実に対応できるよう準備を進めることは十分に可能と考えられます。一人で抱え込まず、早い段階で相談することが望ましいといえます。

相談先を選ぶ際には、相続税に関する実務経験が豊富な税理士であるかどうかも一つの目安になると考えられます。分割協議自体が難航している場合には、税理士に加えて弁護士とも連携しながら進めることで、法的な観点と税務上の観点の両方から適切な助言を受けられる可能性があります。

初回の相談では、現状の財産の概要や相続人の構成を伝えるだけでも、必要な手続きの見通しについて一定の助言を受けられることが多いとされているため、詳細が固まっていない段階でも相談してみる価値があると考えられます。

相談のタイミングに早すぎるということは基本的にないと考えられるため、相続が発生した直後の段階から、今後の見通しを確認する目的で専門家に連絡を取っておくことも一つの選択肢といえます。

専門家との相性も大切な要素であるため、最初の相談の際には説明の分かりやすさや対応の丁寧さなども確認しながら、今後長く付き合えるかどうかを見極めることが望ましいと考えられます。

税理士法人アウル
ロゴ
相続税の申告や税務相談について、税理士としての資格とノウハウを活かしながら対応いたします。また、池袋で弁護士や司法書士などと連携し、その他のお困り事についても一つの窓口でサポートしております。
税理士法人アウル

〒170-0013

東京都豊島区東池袋1-35-8

第一伊三美ビル401

modal_banner