[池袋] 養子縁組は相続税対策になるか?基礎控除における法定相続人の数の考え方
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query_builder 2026/08/06 相続税

相続税を計算するうえでの基礎控除額は、法定相続人の数によって変わってきます。そのため、養子縁組によって法定相続人の数を増やし、相続税の負担を軽くしようと考える方もいるようです。しかし、相続税の計算上、法定相続人としてカウントできる養子の数には一定の制限が設けられているとされています。この記事では、養子縁組が相続税にどのような影響を与えるのか、基礎控除の考え方や注意しておきたいポイントについて解説します。あわせて、孫を養子にするケースの注意点や、遺産分割・遺留分への影響、実務上の留意点についても取り上げますので、養子縁組を検討されている方はぜひ参考にしてください。

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養子縁組と相続の基本的な関係

相続税の話に入る前に、まずは民法上、養子がどのように扱われているかを確認しておきましょう。養子縁組が成立すると、養子は法律上、実子と同じ立場で相続人になるとされています。つまり、養親が亡くなった場合、養子は他の実子と並んで法定相続人となり、遺産を相続する権利を持つことになります。

この点は、相続税の計算においても基本的には同様に扱われます。養子だからといって相続分が減らされたり、相続税の計算上不利になったりするわけではなく、実子と同じ扱いを受けるのが原則とされています。ただし、後述するように、相続税の基礎控除額を計算する際の「法定相続人の数」に関しては、養子の数に一定の制限が設けられている点に注意が必要です。

また、養子縁組にはいくつかの目的があると考えられます。家業を継がせたい、跡継ぎを確保したい、あるいは長年世話になった人に財産を残したいといった事情から養子縁組が行われるケースもあれば、相続税の負担を軽くする目的で行われるケースもあるようです。どのような目的であっても、養子縁組そのものは法律上有効な手続きであり、それ自体が問題視されるものではないと考えられます。

なお、養子縁組をするかどうかは当事者双方の意思に基づく手続きであり、家庭裁判所の許可が必要となる場合とそうでない場合があるとされています。たとえば未成年者を養子にする場合には、原則として家庭裁判所の許可を得る必要があるとされる一方、成年者同士の普通養子縁組であれば、市区町村役場への届出のみで成立するケースが多いようです。相続税対策として養子縁組を検討する際には、こうした手続き面の違いについても事前に把握しておくと安心でしょう。

養子縁組によって新たに親子関係が生じると、戸籍上の記載にも変化が生じます。相続が発生した際には、被相続人や相続人の戸籍謄本を確認することで、養子縁組の有無や時期を確認できる仕組みになっているとされています。相続税の申告にあたっても、この戸籍関係の書類をもとに法定相続人の数を確認する作業が必要になると考えられます。

養子縁組を検討する動機は家庭ごとに異なりますが、共通していえるのは、養子縁組が単なる税務上のテクニックにとどまらず、当事者の人生や家族関係そのものに関わる重い決断であるという点です。相続税の計算上どのような扱いになるかを理解することは大切ですが、それと同じくらい、養子となる本人や周囲の家族の気持ちを尊重しながら検討を進めることも重要だと考えられます。

次の項目からは、相続税の基礎控除額の計算の仕組みや、養子を法定相続人としてカウントする際の具体的な制限、さらには節税目的の養子縁組に対する税務上の考え方について、順を追って詳しく見ていきます。

普通養子縁組と特別養子縁組の違い

養子縁組には、大きく分けて「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があるとされています。普通養子縁組は、養子となる人と実の親との親子関係を維持したまま、養親との間にも新たに親子関係を結ぶ制度です。そのため、普通養子縁組による養子は、実の親の相続人であると同時に、養親の相続人にもなるという特徴があります。

一方、特別養子縁組は、主に子どもの福祉を目的とした制度で、原則として実の親との親子関係が終了し、養親との親子関係のみが残る仕組みとされています。相続税の計算上、法定相続人の数を数える際には、特別養子縁組による養子は実子と同様に扱われ、後述する養子の数の制限の対象外とされていると考えられます。相続税対策として養子縁組を検討する場合には、どちらの制度を利用するかによって扱いが異なる可能性があるため、事前に確認しておくことが望ましいでしょう。

普通養子縁組の場合、養子は実の親の相続人としての地位を保ったままになるため、養親・実親の双方の相続において相続人となる可能性があります。この二重の相続人としての地位は、相続税対策を検討するうえでも見落とされやすいポイントであり、養子縁組を行う前提として理解しておく必要があると考えられます。たとえば、配偶者の連れ子を養子に迎えるケースでは、その子は実の親(配偶者)の相続人であることに加え、養親となった側の相続人にもなるため、将来的に両方の家系から財産を承継する可能性がある点も踏まえておくとよいでしょう。こうした二重の立場は、財産の全体像を把握するうえでも重要な視点になると考えられます。

また、特別養子縁組は、養子となる子どもの年齢に一定の制限が設けられているとされ、成人が対象となる相続税対策としての養子縁組では、実務上ほとんどの場合が普通養子縁組にあたると考えられます。両者の違いを混同したまま検討を進めると、想定していた法的効果が得られない可能性もあるため、注意が必要です。

相続税対策として養子縁組を検討する場合、まずはこの普通養子縁組の仕組みを正しく理解し、実の親との関係がどのように継続するのかを踏まえたうえで、家族全体にどのような影響が及ぶのかを整理しておくことが望ましいと考えられます。

養子も実子と同じ相続分を持つ

民法上、養子の法定相続分は実子と同じであるとされています。たとえば、被相続人に実子が1人、養子が1人いる場合、原則としてこの2人は同じ割合で遺産を相続する権利を持つことになります。養子だからといって相続分が半分になったり、順位が下がったりすることは基本的にないと考えられます。

この考え方は相続税の計算における税額の按分にも関係してきます。相続税の総額を計算したあと、各相続人の取得割合に応じて税額を按分する仕組みになっているため、養子が相続財産を取得した場合には、その取得割合に応じた相続税を負担することになります。養子縁組によって相続人が増えると、遺産分割や税額の按分の場面で、実子との関係も含めて調整が必要になる場面が出てくることがあるようです。

なお、養子と実子の間で相続分に実質的な差を設けたい場合には、法定相続分とは別に、遺言によって取得割合を指定する方法も考えられます。ただし、遺留分を侵害するような内容の遺言は、後にトラブルの原因になる可能性があるため、内容を検討する際には慎重な配慮が必要でしょう。

さらに、養子が代襲相続の場面でどのように扱われるかについても、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。養子縁組後に養子に子どもが生まれた場合、その子どもは養親からみて孫にあたる立場になりますが、代襲相続が認められるかどうかは、養子縁組の時期と孫の出生時期の前後関係によって扱いが異なる場合があるとされ、個別の事情に応じた確認が必要と考えられます。

相続税の基礎控除と法定相続人の数

相続税には基礎控除という制度があり、遺産の総額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税はかからないとされています。基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」という算式で計算されるのが一般的です。つまり、法定相続人の数が1人増えるごとに、基礎控除額は600万円ずつ増えていく計算になります。

この算式からもわかるとおり、法定相続人の数は相続税の負担額に直接影響を与える重要な要素です。法定相続人が多いほど基礎控除額は大きくなり、結果として課税対象となる遺産額が小さくなる可能性があります。そのため、養子縁組によって法定相続人の数を増やし、基礎控除額を大きくしようと考える方がいるのも自然な流れといえるかもしれません。

ただし、法定相続人の数を数える際のルールは単純に「相続人全員をそのまま数える」というものではなく、養子については別途の制限が設けられているとされています。次の項目で、この制限の具体的な内容について解説します。

基礎控除額は、相続税の申告が必要かどうかを判断する最初の目安としても重要な役割を果たしているとされています。遺産総額が基礎控除額以下であれば、原則として相続税の申告自体が不要になるケースが多いと考えられており、逆に基礎控除額を超える場合には、申告と納税の義務が生じる可能性があります。法定相続人の数がこの判断の分かれ目に直結する場面は少なくないようです。

相続税の申告が必要かどうかのボーダーライン付近にある家庭では、法定相続人の数がわずかに変わるだけで、申告義務の有無や税額が大きく変わることもあるとされています。こうした事情から、法定相続人の数を確定させる作業は、相続税の申告準備の中でも特に慎重に行うべき部分のひとつと考えられます。

基礎控除額の考え方は、相続税制度の中でも比較的よく知られている部分ですが、養子が関わる家庭では、単純に「相続人の頭数を数えればよい」というわけにはいかない点に注意が必要です。次の項目以降で、養子の数え方の具体的なルールについて確認していきましょう。

基礎控除額の計算式と法定相続人の数の関係

基礎控除額の計算式である「3000万円+600万円×法定相続人の数」における「法定相続人の数」は、実際に遺産を相続したかどうかにかかわらず、民法上相続人となる資格を持つ人の数を指すとされています。したがって、相続放棄をした人がいたとしても、その人は法定相続人の数にカウントされる扱いになっていると考えられます。

また、配偶者は常に法定相続人となり、子がいる場合には子も法定相続人になります。子がいない場合には、直系尊属や兄弟姉妹が相続人になる順位が定められています。養子縁組によって子の数が増えれば、その分だけ法定相続人の数が増え、基礎控除額の計算にも影響が及ぶことになります。子がすでにいる家庭で養子を迎える場合と、子がまったくいない家庭で養子を迎える場合とでは、法定相続人の構成そのものが変わってくるため、基礎控除額の計算結果にも違いが生じる点をあらかじめ整理しておくとよいでしょう。

このように「法定相続人の数」は、実際の遺産分割協議でどのように財産が分配されたかとは切り離して、民法上のルールに基づいて機械的に数えられる点が特徴とされています。相続税の申告書を作成する際にも、まずこの法定相続人の数を正しく確定させることが、基礎控除額の計算の出発点になると考えられます。

養子縁組の時期が相続開始よりもかなり前であるか、直前であるかによっても、法定相続人としての取り扱いに違いが出ることは基本的にないとされていますが、後述する「不当に減少させる」との判断がされやすくなるかどうかという観点では、縁組の時期も考慮要素のひとつになり得ると考えられます。

実務上は、相続人のうちに養子がいる場合、戸籍謄本などの資料をもとに、いつ養子縁組が成立したのか、実子とみなされる特殊な事情があるかどうかなどを確認する作業が必要になるとされています。こうした確認作業に漏れがあると、基礎控除額の計算そのものが誤ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

なぜ法定相続人の数に注目が集まるのか

相続税の基礎控除額だけでなく、生命保険金や死亡退職金の非課税枠、さらには相続税の総額を計算する際の税率適用の場面でも、法定相続人の数は重要な役割を果たすとされています。法定相続人が多いほど、遺産を複数人で分けることになり、1人あたりの取得金額が小さくなることで、適用される税率が低くなる可能性もあります。

このように、法定相続人の数は相続税額全体に大きな影響を与える要素であるため、養子縁組による法定相続人の数の増加が相続税対策として注目されてきた背景があると考えられます。もっとも、後述するとおり、無制限に養子を増やせるわけではない点には注意が必要です。

加えて、相続税の総額は、いったん法定相続人が法定相続分どおりに遺産を取得したと仮定して計算されるとされています。そのため、実際の遺産分割の内容にかかわらず、法定相続人の数そのものが税額計算の土台になっている点も、この数字が重視される理由のひとつと考えられます。

相続税の税率は、取得金額が大きくなるほど段階的に高くなる仕組みになっているとされています。法定相続人の数が増えて1人あたりの法定相続分に応じた取得金額が小さくなれば、適用される税率の区分自体が下がる可能性もあり、結果として相続税の総額が小さくなる場合があると考えられます。

養子を法定相続人としてカウントする際の制限

相続税法では、基礎控除額などを計算する際の「法定相続人の数」に含めることができる養子の数について、上限が設けられているとされています。具体的には、被相続人に実子がいる場合には養子のうち1人まで、実子がいない場合には養子のうち2人までしか、法定相続人の数にカウントできない仕組みになっていると考えられます。

この制限は、あくまで相続税の計算上の話であり、民法上の相続人としての地位や相続分そのものに影響を与えるものではないとされています。つまり、養子を何人迎えても、民法上はその全員が相続人となり遺産を相続する権利を持ちますが、相続税の基礎控除額などを計算する際には、カウントできる養子の人数に上限があるということです。

この仕組みが設けられている背景には、養子縁組を繰り返すことで法定相続人の数を際限なく増やし、相続税の負担を過度に軽減することを防ぐ目的があると考えられます。相続税は公平な負担を目指す制度であるため、こうした制限が設けられているという理解が一般的なようです。

なお、ここでいう「実子」には、特別養子縁組による養子や、配偶者の連れ子(結婚前から配偶者の実子であった人)で被相続人の養子となった人などが、一定の要件のもとで含まれるとされています。実子とみなされるかどうかによって、養子としてカウントできる人数の上限も変わってくるため、複雑な家族関係がある場合には、個別に確認が必要になると考えられます。特に、配偶者の連れ子を養子にした場合や、再婚前の家族関係が絡む場合には、実子とみなされる要件を満たすかどうかの判断が難しくなることもあるとされ、戸籍関係の資料を丁寧に確認しながら進める必要があると考えられます。

このような制限が設けられている以上、養子縁組によって法定相続人の数を無制限に増やし、基礎控除額を大きくするという発想は、税務上は限定的な効果しか持たないと理解しておく必要があります。養子縁組を検討する際には、あくまでこの上限の範囲内でどの程度の効果が見込めるのかを確認したうえで判断することが望ましいと考えられます。

以下では、実子の有無によって養子のカウント数がどのように変わるのか、具体例を交えながら確認していきます。ご自身の家族構成に当てはめて考える際の参考にしていただければと思います。

実子がいる場合は養子1人まで

被相続人に実子が1人以上いる場合、相続税の基礎控除額などを計算する際に法定相続人の数へ含めることができる養子は1人までとされています。たとえば、実子が2人、養子が3人いたとしても、基礎控除額の計算上は「実子2人+養子1人」の合計3人として扱われる可能性が高いと考えられます。

この場合、残りの2人の養子は民法上の相続人としての地位は失わないものの、基礎控除額や非課税枠の計算上はカウントされないことになるため、想定していたほど基礎控除額が増えないケースもあるようです。養子縁組を検討する際には、実子の有無によって扱いが変わる点をあらかじめ理解しておくことが望ましいでしょう。

実子が1人でもいる家庭で複数の養子縁組を検討している場合、税務上カウントされる養子は1人までという結果を見越したうえで、それでもなお養子縁組を行う意義があるのかどうか、家族間で話し合っておくことが大切だと考えられます。

逆にいえば、実子がいる家庭で養子縁組を検討する場合には、税務上の効果が1人分に限られることを前提に、跡継ぎの確保や家族関係の充実といった、税務以外の目的も含めて総合的に意義を評価することが望ましいと考えられます。実子と養子がともにいる家庭では、財産の承継バランスについても、税務上の計算とは別に、家族としての納得感が得られる形を模索することが大切になってくると考えられます。

実子がいない場合は養子2人まで

一方、被相続人に実子がいない場合には、養子のうち2人までを法定相続人の数に含めることができるとされています。つまり、実子がいないケースのほうが、養子縁組によって法定相続人の数を増やせる余地がやや大きいということになります。

ただし、これも上限が2人までである点に変わりはなく、3人目以降の養子については、基礎控除額などの計算上はカウントされない扱いになると考えられます。実子の有無にかかわらず、養子縁組を重ねれば重ねるほど基礎控除額が際限なく増えていくわけではないという点は、共通して押さえておきたいポイントです。

実子がいないケースでは、跡継ぎの確保という目的と相続税対策という目的が重なって養子縁組が検討されることも多いようです。その場合であっても、上限である2人を超える養子縁組を重ねることの実益は、税務上は限定的になると考えられます。加えて、複数の養子を迎える場合には、それぞれの養子との関係性や、将来の遺産分割における立場についても、あらかじめ整理しておくことが望ましいと考えられます。

実子がいない家庭では、財産の承継先そのものを誰にするかという問題と、相続税の負担をどう抑えるかという問題が同時に検討されることが多いようです。養子縁組は、この両方の課題に関わる手続きであるため、税務上の効果だけでなく、承継先としてふさわしい人物かどうかという観点もあわせて考えることが望ましいと考えられます。

節税目的の養子縁組に対する税務上の見方

養子縁組による法定相続人の数の増加が、相続税の負担を「不当に減少させる結果になると認められる場合」には、税務署がその養子を法定相続人の数に含めないと判断できる規定が設けられているとされています。つまり、形式的には養子縁組の要件を満たしていても、実質的に相続税逃れを目的としたものと判断された場合には、期待していたとおりの節税効果が得られない可能性があるということです。

もっとも、養子縁組をすること自体が直ちに問題視されるわけではないと考えられます。実際には、跡継ぎの確保や老後の世話をしてもらうため、あるいは家族としての結びつきを強めるためなど、さまざまな事情から養子縁組が行われており、そうした事情がある場合には、税務上も自然な家族関係の一環として扱われることが多いようです。

一方で、明らかに相続開始の直前に、相続税対策のみを目的として複数の養子縁組を行うようなケースでは、税務署から実質的な目的を問われる可能性も否定できません。養子縁組を検討する際には、節税効果だけを目的とするのではなく、家族関係全体を踏まえたうえで判断することが望ましいと考えられます。

過去には、養子縁組による法定相続人の数の増加をめぐって、その効力や税務上の取り扱いが争われた裁判例もあるとされています。裁判所の判断としては、専ら相続税対策のみを目的とした養子縁組であっても、それだけで直ちに養子縁組自体が無効になるわけではないとする考え方が示されたケースがあるとされ、養子縁組の有効性の問題と、相続税の計算上の取り扱いの問題は、別々に検討されるべきものと理解されているようです。

このため、養子縁組そのものをやめさせられる心配は基本的にないと考えられますが、相続税の計算上、養子を法定相続人の数に含められない可能性があるという点は、別の問題として認識しておく必要があります。二つの問題を混同せず、それぞれ独立したリスクとして理解しておくことが望ましいでしょう。

続いて、どのような場合に「不当に減少させる」と判断されやすいのか、また実務上どのような対応が望ましいと考えられているのかについて、もう少し詳しく見ていきます。

「不当に減少させる」と判断される場合とは

相続税の負担を「不当に減少させる結果になると認められる」かどうかは、個別の事情を総合的に考慮して判断されるとされています。一般的には、養子縁組の経緯や動機、養親と養子の関係性、養子縁組後の生活実態などが考慮される要素になると考えられます。

明確な基準が数値化されているわけではないため、判断に迷うケースも少なくないようです。相続税対策として養子縁組を検討する場合には、税理士など専門家に相談しながら、慎重に進めることが望ましいと考えられます。動機が単一であることは少なく、跡継ぎの確保や生活面の支援といった事情と、節税の意図が重なり合っているケースも多いと考えられ、そうした背景事情を丁寧に整理しておくことが望ましいでしょう。特に、相続開始が近いと見込まれる時期に急に養子縁組の話が持ち上がったような場合には、他の相続人だけでなく税務署からも動機を疑われやすくなる可能性があるため、時間的な余裕を持って計画的に進めることが望ましいと考えられます。

また、養子縁組の届出自体は市区町村役場で速やかに受理されることが多いとされていますが、その後の税務上の取り扱いについては、相続開始後に個別の事情を踏まえて判断される点に留意が必要です。届出が受理されたことをもって、税務上も問題がないと確定するわけではないと考えられます。

養子縁組の動機がどうであれ、縁組後に養親と養子が実際にどのような関係を築いていたか、生活の実態が伴っていたかどうかも、判断材料のひとつになり得ると考えられます。書類上の手続きだけでなく、実質的な家族としての関わりを持つことが、結果的に税務上のリスクを下げることにもつながるでしょう。

実務上の考え方と留意点

実務上は、養子縁組そのものが無効とされるわけではなく、あくまで相続税の計算における法定相続人の数への算入が認められないという扱いにとどまるケースが多いとされています。したがって、養子としての身分関係や遺産分割における権利には影響が及ばない一方で、期待していた基礎控除額の増加が実現しない場合があるということです。

こうした点を踏まえると、養子縁組を相続税対策の中心に据えるのではなく、家族関係の実情に沿った自然な形で検討することが、結果的にリスクの少ない選択につながると考えられます。また、税務署から法定相続人の数への算入を否認された場合には、当初想定していた基礎控除額や非課税枠が使えなくなり、相続税額が増えてしまう可能性があります。こうした事態に備えて、養子縁組による節税効果をあらかじめ過大に見込みすぎないよう、余裕を持った試算をしておくことも大切だと考えられます。想定していた基礎控除額が使えなかった場合の税負担についても、あらかじめ選択肢のひとつとして頭に入れておくと、実際に否認された場合にも落ち着いて対応しやすくなると考えられます。

相続税の申告にあたって、養子の存在をどのように扱うかで判断に迷う場合には、申告期限までに専門家へ相談し、必要な資料を整えたうえで対応することが望ましいと考えられます。判断が遅れることで、申告そのものに支障が出ることも避けたいところです。

養子縁組が絡む相続税申告では、通常よりも確認すべき事項が多くなる傾向があるとされています。法定相続人の数の確定作業に時間を要することも想定し、早めに専門家へ相談し、必要な資料の準備を進めておくことが望ましいと考えられます。

孫を養子にするケースの注意点

相続税対策として比較的よく検討されるのが、孫を養子にするケースです。子から孫へと一代飛ばして財産を承継させることで、相続税を課税される回数を減らせる可能性があるという発想から、こうした養子縁組が行われることがあるようです。

しかし、孫を養子にした場合には、相続税額の計算において「2割加算」という制度が適用される可能性がある点に注意が必要です。これは、被相続人の配偶者や一親等の血族(親や子)以外の人が相続財産を取得した場合に、相続税額が通常より2割程度加算される仕組みとされています。孫養子はこの2割加算の対象になり得ると考えられています。

つまり、孫を養子にすることで法定相続人の数が増え、基礎控除額が大きくなる効果が期待できる一方で、その孫が実際に財産を取得した場合には、2割加算によって税負担が増える可能性もあるということです。トータルでどちらの影響が大きいかは、個別の財産状況や相続人構成によって異なるため、一概にはいえないと考えられます。

また、孫を養子にする場合には、その孫の実の親(被相続人からみると子)がすでに相続人として存在していることが多く、家族関係がより複雑になりやすい点も見逃せません。孫が養子になったことで、実の親である子と対等な立場で遺産を取得する権利を持つことになるため、世代をまたいだ調整が必要になる場面も出てくると考えられます。

孫養子を検討する背景には、教育資金や生活費の援助を続けてきた孫に財産を承継させたい、あるいは将来的に事業や家業を孫に託したいといった事情があることも多いようです。単に税負担を減らす目的だけでなく、こうした家族の事情も含めて総合的に判断することが望ましいと考えられます。

ここからは、孫養子に特有の論点である2割加算の仕組みと、一代飛ばしによる効果・デメリットについて、それぞれ詳しく確認していきます。

孫養子を検討する際には、被相続人自身の意向だけでなく、孫の実の親である子の意向も十分に確認しておくことが望ましいと考えられます。子に相談のないまま孫との養子縁組を進めてしまうと、後になって「聞いていなかった」という不満につながる可能性もあるため、事前の合意形成を丁寧に行うことが大切でしょう。

孫養子と相続税の2割加算

2割加算の対象となるのは、被相続人の配偶者および一親等の血族以外の人が相続や遺贈によって財産を取得した場合とされています。孫は本来、被相続人からみて二親等にあたるため、養子縁組をしていない場合でも、代襲相続人でない限りは2割加算の対象になり得ると考えられます。

孫を養子にした場合であっても、一親等の血族として扱われるわけではなく、2割加算の対象外とはならない扱いになっているとされています。この点は誤解されやすいポイントであり、孫養子を検討する際にはあらかじめ理解しておく必要があるでしょう。

なお、孫であっても、その孫の親(被相続人の子)がすでに死亡しており、代襲相続人として相続する場合には、2割加算の対象外になるとされています。孫養子のケースとは扱いが異なるため、混同しないよう注意が必要です。代襲相続なのか、養子縁組による相続なのかによって、2割加算の有無が変わってくる点は重要なポイントといえるでしょう。

2割加算の対象になるかどうかは、実際に負担する相続税額に直接影響するため、孫養子を検討する段階で、加算後の税額も含めたシミュレーションをしておくことが望ましいと考えられます。基礎控除額の増加による軽減効果と、2割加算による増加分を、あわせて比較しておくとよいでしょう。

一代飛ばしの効果とデメリット

子を経由せず孫に直接財産を承継させることで、本来であれば子の代で発生するはずの相続税を1回分省略できるという考え方が、孫養子のメリットとして挙げられることがあります。財産の規模によっては、この効果が無視できないケースもあると考えられます。

一方で、前述の2割加算により税負担が増える可能性があることに加え、孫を養子にすることで実子である子との関係が複雑になったり、遺産分割の話し合いが難航したりする可能性もあるようです。メリットとデメリットの両方を踏まえたうえで、慎重に検討することが望ましいと考えられます。

孫養子を実行する前に、実際にどの程度の相続税の軽減効果が見込めるのか、2割加算による増加分も含めてシミュレーションしておくことが望ましいと考えられます。感覚的なメリットだけで判断するのではなく、具体的な数値をもとに検討することが、後悔のない選択につながるでしょう。

孫養子は民法上、被相続人の子と同じ世代として扱われるわけではなく、あくまで別個の養子としての地位を持つ点にも留意が必要です。実子である子との間で、将来の財産承継や役割分担についてあらかじめ話し合っておくことが、円滑な相続につながると考えられます。加えて、孫養子を検討する背景に事業承継の事情がある場合には、相続税だけでなく事業承継税制など他の制度もあわせて検討することで、より総合的な対策につながる可能性があります。

養子縁組が生命保険金・死亡退職金の非課税枠に与える影響

被相続人の死亡によって支払われる生命保険金や死亡退職金についても、相続税の計算上、一定額までは非課税として扱われる制度が設けられているとされています。この非課税枠は「500万円×法定相続人の数」という算式で計算されるのが一般的です。

基礎控除額と同様に、この非課税枠の計算における「法定相続人の数」にも、養子については前述の制限(実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで)が適用されると考えられます。そのため、養子縁組によって法定相続人の数が増えれば、生命保険金や死亡退職金の非課税枠も合わせて拡大する可能性があります。

生命保険を活用した相続税対策と養子縁組を組み合わせて検討するケースもあるようですが、いずれも法定相続人の数の制限を受ける点は共通しているため、過度な期待をせず、実際にどの程度の効果が見込めるのかを事前に確認しておくことが大切だと考えられます。

死亡退職金についても、生命保険金と同様の非課税枠の考え方が適用されるとされています。会社経営者や個人事業主の相続では、死亡退職金の支給が行われるケースもあり、その場合には生命保険金の非課税枠とは別枠で、死亡退職金についての非課税枠が計算される仕組みになっていると考えられます。

これらの非課税枠は、相続税の負担を軽減するための代表的な制度のひとつとされていますが、あくまで「法定相続人が実際に受け取った場合」に適用されるものである点に注意が必要です。誰がどの財産を受け取るかによって、非課税枠の恩恵を受けられるかどうかが変わってくるため、遺産分割の内容とあわせて検討することが望ましいでしょう。

次の項目では、非課税枠の計算式と法定相続人の数との関係、そして養子縁組による非課税枠拡大にどの程度の限界があるのかについて、具体的に見ていきます。

非課税枠を最大限に活用するためには、生命保険の契約段階から、誰を受取人にするか、保険金額をどの程度に設定するかを検討しておくことが望ましいとされています。相続が発生してから慌てて対応するのではなく、あらかじめ計画的に準備しておくことで、非課税枠を無駄なく活用できる可能性が高まると考えられます。

非課税枠の計算式と法定相続人の数の関係

生命保険金の非課税枠を計算する際の「法定相続人の数」も、基礎控除額の計算と同じ考え方に基づいているとされています。したがって、養子を1人迎えたことで法定相続人の数が1人増えれば、非課税枠も500万円分増える可能性があります。

ただし、この非課税枠が適用されるのは、相続人が実際に生命保険金を受け取った場合に限られるとされています。相続放棄をした人が受け取る死亡保険金については、この非課税枠の適用を受けられない扱いになっていると考えられるため、あわせて確認しておく必要があるでしょう。

非課税枠を計算する際の法定相続人の数についても、養子の制限が及ぶことから、基礎控除額と非課税枠の両方をあわせて考えると、養子縁組による効果はある程度まとまった金額になる可能性があります。もっとも、これはあくまで法定相続人の数の上限内での話であることを忘れないようにしたいところです。

養子が生命保険金や死亡退職金を実際に受け取る人になるかどうかは、契約内容や遺産分割の話し合いによって決まるとされています。法定相続人の数として数えられることと、実際に非課税枠の適用を受けて財産を取得することとは、別の問題として整理しておく必要があるでしょう。

養子縁組による非課税枠拡大の限界

基礎控除額と同様に、非課税枠についても養子の数には上限があるため、養子縁組を重ねれば重ねるほど非課税枠が際限なく拡大するわけではありません。実子がいる場合には養子1人分、実子がいない場合には養子2人分までしか、非課税枠の計算に反映されないと考えられます。

このように、生命保険金の非課税枠を目的として養子縁組を検討する場合であっても、得られる効果には一定の限度があることを理解したうえで、他の相続税対策とあわせて総合的に検討することが望ましいと考えられます。

生命保険の契約内容や受取人の指定方法によっても、実際に非課税枠を活用できるかどうかは変わってくるとされています。養子縁組とあわせて生命保険を活用する場合には、契約時点で受取人を誰にするかについても、専門家に相談しながら検討することが望ましいでしょう。

なお、非課税枠を超える部分の生命保険金については、通常どおり相続税の課税対象になるとされています。非課税枠はあくまで一定額までの優遇措置であり、保険金額が大きい場合には、超過部分に対する税負担についてもあわせて検討しておく必要があると考えられます。加えて、複数の保険契約がある場合には、契約ごとの非課税枠の按分方法についても確認しておくことが望ましいと考えられます。

養子縁組による遺産分割・遺留分への影響

養子縁組を検討する際には、相続税の計算上の影響だけでなく、遺産分割や遺留分といった民法上の権利関係への影響についても考慮しておく必要があります。養子が加わることで法定相続人の数が増えれば、当然ながら各相続人の法定相続分は変化することになります。

たとえば、これまで実子のみで遺産を分け合っていたところに養子が加わると、実子1人あたりの取得できる遺産の割合は相対的に小さくなる可能性があります。これは相続税対策としては望ましい面がある一方で、既存の相続人にとっては自身の取り分が減ることを意味するため、家族間の感情的な摩擦につながることもあるようです。

また、遺留分についても同様の影響が考えられます。養子は遺留分を持つ相続人にもなり得るため、他の相続人が遺留分侵害額請求を行う場面が生じる可能性も否定できません。相続税対策としての養子縁組が、結果的に家族間のトラブルを招く原因になってしまっては本末転倒といえるでしょう。

以下では、養子が加わることで法定相続分がどのように変化するのか、また他の相続人との関係にどのような影響が及びうるのかについて、具体的に確認していきます。

遺産分割協議は、法定相続人全員の合意がなければ成立しない仕組みになっているとされています。養子が増えれば、それだけ協議に参加する人数も増えることになり、意見の調整に時間がかかる可能性があります。特に、養子と他の相続人がそれまであまり親交がなかった場合には、遺産分割の話し合いがスムーズに進まないケースもあるようです。

こうした事情も踏まえ、養子縁組を検討する段階から、将来の遺産分割の進め方についてもある程度イメージしておくことが望ましいと考えられます。必要に応じて遺言書を作成し、誰にどの財産を承継させるのかをあらかじめ明確にしておくことも、トラブルを防ぐための有効な手段のひとつとされています。

養子縁組を行う前の段階で、既存の相続人となる予定の人たちに事情を説明し、養子縁組の目的や今後の遺産分割の方針について理解を得ておくことも、トラブルを未然に防ぐうえで有効な方法のひとつと考えられます。事後報告になるほど、感情的な反発を招きやすくなる傾向があるようです。

養子が加わることで変化する法定相続分

配偶者と子が相続人になる場合、子の法定相続分は人数に応じて均等に分けられるのが原則とされています。養子が加わればその分だけ「子」としての頭数が増えるため、実子1人あたりの法定相続分は小さくなる計算になります。

このような変化は、相続税の総額を計算する場面では基礎控除額の増加という形でプラスに働く一方、実際の遺産分割の場面では、既存の相続人の取得額に影響を与える要因にもなります。養子縁組を検討する際には、税務上のメリットだけでなく、実際の遺産分割にどのような影響が及ぶのかについても、あわせて確認しておくことが望ましいと考えられます。

特に、自宅の土地や建物など、簡単に分割できない財産が遺産の大部分を占めている場合には、相続人の数が増えることで、誰がその財産を取得するのか、他の相続人にはどのように代償するのかといった調整がより複雑になる可能性があります。

こうした財産構成上の事情は、養子縁組を検討する段階であらかじめ把握しておくことが望ましいと考えられます。財産の種類や分けやすさを踏まえずに養子縁組を進めてしまうと、相続開始後の遺産分割協議で想定以上に時間がかかることもあるようです。

他の相続人との関係悪化・トラブルの可能性

養子縁組は、既存の相続人にとって事前に十分な説明がないまま進められると、不信感や反発を招く原因になりやすいとされています。特に、相続税対策のみを目的として急に養子縁組が行われた場合、他の相続人から「取り分を減らすためではないか」といった疑念を持たれることもあるようです。

こうしたトラブルを避けるためには、養子縁組を検討する段階から、家族全員で事情を共有し、理解を得ておくことが重要だと考えられます。相続税対策としての効果だけを重視するのではなく、家族関係全体への影響を踏まえたうえで判断することが望ましいでしょう。

万が一、遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所での調停や審判といった手続きに進む可能性もあるとされています。養子縁組によって相続人の構成が複雑になるほど、こうした手続きに発展するリスクも高まりかねないため、事前の話し合いを丁寧に行っておくことが大切だと考えられます。

調停や審判に発展した場合、解決までに相応の時間と労力がかかることが多いとされています。相続税の申告期限との兼ね合いも出てくるため、遺産分割が長引きそうな場合には、いったん未分割の状態で申告を行うなど、別途の対応を検討する必要が生じる可能性もあると考えられます。未分割の状態で申告する場合には、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった、遺産分割の内容を前提とする各種の特例が適用できなくなることが多いとされ、後日修正申告や更正の請求を行う必要が生じる場合もあるようです。養子縁組によって相続人の数が増え、こうした手続きの負担が増す可能性も踏まえて、事前の準備を進めておくことが望ましいと考えられます。

養子縁組を検討する際の実務上の留意点

ここまで見てきたように、養子縁組は相続税の基礎控除額や非課税枠を増やす効果が期待できる一方で、養子としてカウントできる人数には制限があり、家族関係への影響も無視できません。養子縁組を相続税対策として検討する場合には、こうした複数の側面を総合的に踏まえたうえで判断することが望ましいと考えられます。基礎控除額や非課税枠の増加という目に見えるメリットだけでなく、養子として迎える相手との関係性や、既存の相続人との調整といった、数値化しにくい要素についても、あわせて重視する姿勢が求められると考えられます。

また、養子縁組は一度成立すると、簡単に解消できるものではないとされています。離縁の手続きには一定の要件や手続きが必要となるため、後から「やはりやめたい」と考えても、思うようにいかない場合があるようです。相続税の節税効果だけを目的に安易に養子縁組を行うのではなく、長期的な家族関係の視点も踏まえて慎重に検討することが大切だと考えられます。

これまで解説してきたとおり、養子縁組は税務上のメリットとリスク、そして家族関係への影響という複数の側面を持つ手続きです。以下では、実際に養子縁組を検討する際に押さえておきたい実務上のポイントについて、さらに具体的に見ていきます。

相続財産の内容や家族構成は各家庭によって異なるため、養子縁組による相続税対策が本当に有効かどうかは、個別の事情に応じて判断する必要があります。生前贈与や生命保険の活用など、他の相続税対策とあわせて比較検討することで、より納得感のある選択につながると考えられます。

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日の翌日から一定期間内とされており、この期間内に必要な資料を揃え、申告と納税を行う必要があります。養子縁組が絡む相続では、戸籍関係の確認や法定相続人の数の確定に通常より時間がかかることもあるようです。余裕をもったスケジュールで準備を進めることが望ましいと考えられます。

相続税対策は、養子縁組に限らずどの手法にもそれぞれメリットと注意点があるとされています。目先の節税効果だけにとらわれず、家族全体の将来や関係性を見据えたうえで、複数の選択肢を比較しながら検討を進めることが、結果的に納得感のある相続につながると考えられます。

縁組のタイミングと生前対策全体とのバランス

養子縁組による相続税対策を検討する場合、他の生前対策(生前贈与や生命保険の活用、遺言書の作成など)とのバランスを考えることも重要だとされています。養子縁組だけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることで、より安定した相続対策につながる可能性があります。

また、養子縁組を行うタイミングによっては、前述のとおり税務上「不当に相続税を減少させる」ものと判断されるリスクが高まることも考えられます。相続開始の直前に急いで養子縁組を行うのではなく、早い段階から時間をかけて検討することが望ましいでしょう。

健康なうちから将来を見据えて準備を進めておくことで、養子縁組についても家族全員が納得したうえで手続きを進めやすくなると考えられます。反対に、体調の変化がきっかけで急いで養子縁組を検討するようなケースでは、周囲の理解を得にくくなる可能性もあるため、注意が必要でしょう。

生前対策は一度決めたら終わりというものではなく、家族構成や財産状況の変化に応じて、定期的に見直しを行うことも大切だと考えられます。養子縁組についても、当初想定していた効果や状況が変わってくることがあるため、必要に応じて対策全体を見直す姿勢を持っておくとよいでしょう。

専門家に相談すべきポイント

養子縁組が相続税や遺産分割に与える影響は、家族構成や財産状況によって大きく異なるとされています。そのため、養子縁組を相続税対策として検討する場合には、税理士など専門家に相談しながら、具体的なシミュレーションを行うことが望ましいと考えられます。

特に、基礎控除額や非課税枠への影響、2割加算の有無、遺留分への影響など、複数の要素が絡み合う場面では、専門的な知識をもとに総合的に判断することが、後々のトラブルを避けるうえでも重要だと考えられます。

養子縁組を実行に移す前に、現状の財産構成をもとにした相続税の試算を行い、養子縁組をした場合としなかった場合とで、税額や遺産分割にどのような違いが生じるのかを比較しておくと、より具体的なイメージを持って判断できるようになると考えられます。

養子縁組は、相続税の負担を左右する要素であると同時に、家族の一員を新たに迎えるという重い意味を持つ手続きでもあります。専門家の助言を受けながら、税務面と家族関係の両方をバランスよく考慮したうえで、慎重に判断を進めていくことが望ましいと考えられます。相談する専門家を選ぶ際には、相続税や養子縁組に関する実務経験が豊富かどうかも、判断材料のひとつになると考えられます。

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