[池袋] 保証人の地位も相続される?相続税申告での保証債務の扱い
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query_builder 2026/09/24 相続税

相続が発生すると、預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく、被相続人が誰かの借入れについて保証人になっていた地位も、相続人に引き継がれる場合があるとされています。保証債務は契約書が手元になかったり、生前に家族へ説明されていなかったりすることも多く、相続の場面で初めてその存在に気づくケースも少なくないといわれています。とりわけ連帯保証や根保証といった保証の形態によって、承継される責任の重さや、相続税の申告・遺産分割・相続放棄の判断に及ぼす影響は大きく異なると考えられます。本記事では、保証人の地位が相続の対象になる仕組みを整理したうえで、保証債務の調べ方、相続放棄・限定承認との関係、相続税の債務控除における取り扱い、遺産分割上の注意点、履行後の求償権の扱い、そして生前にできる備えについて、実務上の視点から解説します。相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内とされており、保証債務のように発覚が遅れやすい財産・債務が絡む場合には、限られた時間の中で調査と判断を並行して進めなければならない点も、あらかじめ理解しておきたいポイントの一つと考えられます。専門的で見落とされやすいテーマではありますが、順を追って理解しておくことで、いざというときに落ち着いて対応しやすくなると考えられます。

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保証人の地位はなぜ相続の対象になるのか

民法では、相続人は被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するとされており、金銭消費貸借契約に基づく借入金と同様に、保証契約に基づく保証債務も相続の対象になると考えられています。保証人としての地位は、本人の信用力や人間関係を前提に設定されることが多い一方で、法律上は一身専属的な権利義務(相続の対象にならないもの)には当たらないとされている点に注意が必要です。

そのため、被相続人が生前に友人や取引先の借入れの保証人になっていた場合、相続人はその保証債務についても、プラスの財産と合わせて包括的に承継することになると考えられます。相続人が複数いるときは、保証債務のような金銭債務は、遺産分割の対象にはならず、法定相続分に応じて当然に分割されて各相続人に帰属するという考え方が一般的とされています。

もっとも、保証には主たる債務者と同じ責任を負う連帯保証と、催告の抗弁権・検索の抗弁権が認められる通常の保証とがあり、また保証の限度額や期間を定める根保証など、いくつかの類型があるとされています。相続の場面でどの類型の保証が問題になっているかによって、承継される責任の重さや対応の緊急性は異なってくると考えられます。

また、保証人と似た立場として連帯債務者(複数人が同一の債務についてそれぞれ全部の履行義務を負う関係)という考え方もありますが、保証人はあくまで主たる債務者の債務を担保する立場にあるのに対し、連帯債務者は自らも本来的な債務者であるという違いがあるとされています。相続の場面でどちらの立場に該当するのかによって、法律関係の整理の仕方が変わってくると考えられるため、契約書の文言を丁寧に確認することが望ましいといえます。

保証債務は、借入れそのものの残高のように毎月の明細で見える化されているわけではなく、主たる債務者の返済状況が良好であるうちは表面化しない性質を持っています。そのため、被相続人の生前には家族が全く認識していなかった保証契約が、相続開始後、しかも何年も経ってから金融機関や債権者からの通知によって初めて判明するということも起こり得るとされ、日頃からの心構えが重要になると考えられます。

相続税申告の実務では、預貯金や不動産、有価証券といったプラスの財産の把握とあわせて、借入金や未払金などの消極財産の把握も重要な作業として位置づけられているとされています。保証債務は、対外的に返済を求められるかどうかが確定していないという特殊性から、通常の借入金の把握とは異なる視点での確認が必要になると考えられ、相続の初期段階から意識しておくべき項目の一つといえます。

被相続人の生前の職業や交友関係、事業の有無によって、保証債務が問題になりやすいかどうかの傾向はある程度異なると考えられます。会社経営や個人事業を営んでいた場合、あるいは親族間で頻繁に資金の融通が行われていたような家庭環境では、通常よりも注意深く保証契約の有無を確認しておくことが望ましいといえます。

保証債務の性質(一身専属的でない理由)

一身専属的な権利義務とは、扶養請求権や身元保証のように、特定の個人の信頼関係を基礎とし、他人に引き継がせることになじまないと考えられているものを指すとされています。これに対して、通常の金銭債務の保証は、保証人個人の信頼というよりも、保証契約という財産的な契約関係に基づくものと位置づけられており、相続によって承継される財産的義務の一つとして扱われるのが一般的とされています。

ただし、身元保証契約のように、保証人と被保証者との個人的な信頼関係が特に重視される保証や、保証期間・限度額の定めがない包括的な身元保証については、相続人に当然に承継されない、あるいは相続開始時点までに生じた債務に限られるといった考え方が示されていることもあるとされ、保証の性質を個別に見極める必要があると考えられます。

身元保証に関する法律では、身元保証契約の期間や解除に関する一定のルールが定められているとされ、無制限に将来にわたって責任を負い続けるものではないという考え方が採られていると理解されています。とはいえ、実際にどこまでの範囲が相続人に承継されるかは契約の文言や締結の経緯によって左右されるため、身元保証契約書が見つかった場合には、内容を個別に確認することが望ましいと考えられます。

なお、相続放棄をすれば、保証債務を含めた被相続人の権利義務を一切承継しないことになるため、性質の見極めに迷う場合であっても、他の事情とあわせて相続放棄という選択肢を検討することで、結果的に対応がシンプルになる場合もあると考えられます。

根保証(個人根保証契約)における相続時の元本確定

賃貸借契約の家賃債務や継続的な取引から生じる債務をまとめて保証する根保証のうち、個人が保証人となる個人根保証契約については、極度額(保証の上限額)の定めが必要とされ、また保証人が死亡した場合には、その時点で元本が確定するという規律が設けられているとされています。元本が確定するということは、それ以降に新たに発生する債務については保証の対象から外れ、相続人が承継するのは死亡時点までに生じていた債務に限られると考えられている点が、通常の連帯保証との大きな違いといえます。

もっとも、元本確定前の状況によっては、承継される保証債務の範囲が必ずしも明確でないことがあり、契約書や取引の実態を確認しなければ正確な金額を把握しにくい場合もあるとされています。根保証契約の対象になっている可能性がある場合は、契約内容を早期に確認することが望ましいと考えられます。

個人が根保証人になる契約については、極度額の定めがないものは効力が認められないという考え方が採用されているとされ、以前に比べて保証人が負う責任の上限が明確になりやすい枠組みが整えられてきているといわれています。もっとも、古い時期に締結された契約については、こうした枠組みが適用される前のものである可能性もあり、契約締結時期にも注意を払う必要があると考えられます。

継続的な取引に基づく貸金等をまとめて保証する根保証契約と、賃貸借契約における家賃債務の根保証とでは、適用される規律が細かく異なる場合があるとされています。契約書に記載された保証の対象範囲を確認し、どの類型に該当するのかを見極めることが、相続人が承継する範囲を正確に把握する第一歩になると考えられます。

どんな保証が問題になりやすいか(具体例)

実務上、相続人が保証債務の存在に気づかないまま手続きを進めてしまいやすい場面として、事業を営んでいた被相続人が金融機関からの融資に際して連帯保証人になっていたケースが挙げられるとされています。特に、被相続人自身が経営していた会社の借入れについて代表者個人が連帯保証人になっている、いわゆる経営者保証は、会社の業績次第で保証債務の負担が大きく変動しうるため、慎重な確認が必要と考えられます。

また、被相続人が親族や友人の住宅ローン、事業資金、奨学金などの保証人になっていた場合も同様に注意が必要とされています。契約時の保証意思が明確であっても、その後の返済状況や残高については、保証人自身にも十分な情報が共有されていないことがあり、相続人が実態を把握しにくい原因になっていると考えられます。

さらに、被相続人が第三者の賃貸借契約における連帯保証人(いわゆる家賃保証)になっていた場合、賃借人の家賃滞納や原状回復費用の負担といった債務が、保証人の地位を通じて相続人に及ぶ可能性があるとされています。近年は家賃保証会社の利用が広がっている一方で、個人が保証人になっている契約も依然として少なくないといわれています。

被相続人が金融機関の窓口業務や不動産業に携わっていた場合など、職業柄、知人や取引先から保証を頼まれやすい立場にあったケースも考えられます。こうした背景がある場合には、通常よりも保証契約が複数にわたって存在している可能性を念頭に置き、丁寧に調査することが望ましいと考えられます。

このほか、個人間で私的に交わされた金銭の貸し借りにおいて、被相続人が第三者として保証を約束していたようなケースも考えられます。こうした私的な保証は書面が整っていないことも多く、相続人にとってはその存在自体を確認することが特に難しい類型の一つとされています。日頃から家族が被相続人の交友関係や金銭のやり取りについてある程度把握しておくことが、結果的に保証債務の見落としを防ぐことにつながると考えられます。

また、事業承継が完了し、後継者に経営を引き継いだ後であっても、旧経営者である被相続人の保証がそのまま解除されずに残っているケースも見受けられるとされています。経営の第一線から退いた後も保証契約自体が存続している場合には、相続の場面で改めてその保証債務が問題になる可能性があるため、承継完了後の保証契約の状況についても確認しておくことが大切な視点になると考えられます。

事業融資の連帯保証人になっているケース(経営者保証)

中小企業が金融機関から融資を受ける際、経営者本人が会社の債務を連帯保証するいわゆる経営者保証は、日本の中小企業金融において広く行われてきたとされています。経営者である被相続人が死亡した場合、会社の借入残高がそのまま保証債務として相続人に承継される可能性があり、会社の経営状態によっては相続財産全体に大きな影響を及ぼしかねないと考えられます。

近年は経営者保証に関するガイドラインの活用や、事業承継の場面での保証の見直しが進められているとされていますが、生前に保証契約の整理が行われていなかった場合には、相続開始後に相続人自身が金融機関との交渉や保証債務の整理に対応せざるを得ない場合もあると考えられます。

また、経営者保証は一つの金融機関だけでなく、複数の金融機関との間でそれぞれ締結されていることも珍しくないとされ、相続人が全体像を把握するまでに時間を要する場合があると考えられます。会社の決算書や借入契約書を金融機関ごとに確認し、保証の範囲や残高を一覧化しておくことが、その後の対応を円滑にする助けになると考えられます。

会社自体が事業を継続している場合には、金融機関との今後の取引関係にも影響し得るため、相続人が単独で判断するのではなく、会社の後継者や顧問の専門家とも情報を共有しながら、保証債務への対応方針を検討していくことが望ましいと考えられます。

賃貸借契約の連帯保証人(家賃保証)のケース

被相続人が親族や知人の賃貸借契約における連帯保証人になっていた場合、賃借人の家賃滞納分や、退去時の原状回復費用、契約違反に伴う損害賠償などが保証債務の対象になり得るとされています。多くの場合、金額はそれほど大きくならないと考えられますが、賃借人の状況によっては予想外の負担が生じる可能性も否定できません。

賃貸借契約書に保証人として名前が記載されているかどうかは、被相続人の書類を確認する際の手がかりの一つになると考えられます。契約が長期間継続している場合、保証人の変更手続きが行われないまま据え置かれていることもあるとされ、注意が必要です。

近年は家賃保証会社を利用する賃貸借契約が増えており、連帯保証人を別途立てる必要がない契約も広がってきているといわれていますが、契約の締結時期によっては、家賃保証会社の利用と個人の連帯保証人の両方が求められている場合もあると考えられます。契約書に複数の保証条項が併存していないか、あわせて確認しておくことが望ましいといえます。

賃貸人との関係では、保証人が死亡した事実を伝え、以後の保証人をどうするかについて話し合いを行うことも考えられます。放置したままにしておくと、新たな保証人を立てるまでの間、法律関係が不安定な状態が続くことにもなりかねないため、早めに賃貸人や管理会社へ連絡しておくことが望ましいと考えられます。

保証債務の存在をどう調べるか(実務上の注意点)

保証債務は、預貯金や不動産と異なり、通帳の記載や登記簿から直接確認できるものではないため、相続人が自ら能動的に調査しない限り見過ごされやすいという特徴があるとされています。まず手がかりになるのは、被相続人の自宅に保管されている契約書類、金融機関からの郵便物、保証会社や信用保証協会からの通知などであり、これらを丁寧に確認することが出発点になると考えられます。

また、信用情報機関に開示請求を行うことで、被相続人自身が債務者となっている借入れの状況を確認できる場合があるとされていますが、保証人としての地位そのものは、必ずしもすべてこうした信用情報に反映されるとは限らないといわれています。金融機関によっては、相続人からの照会に対して、被相続人が関与していた保証契約の有無について一定の範囲で回答してもらえる場合もあると考えられます。

加えて、被相続人が経営していた会社や、関係の深かった親族・知人がいる場合には、直接事情を確認することも有効な手段の一つとされています。保証契約の性質上、書面が見当たらないケースもあり得るため、複数の情報源を組み合わせて確認する姿勢が重要と考えられます。

調査を進める過程で保証債務らしきものが見つかった場合には、その時点で金額や契約内容を確定させようと焦るのではなく、まずは存在の可能性を関係者間で共有し、並行して裏付け資料を集めていくという進め方が現実的と考えられます。断片的な情報であっても、早い段階で共有しておくことが、その後の判断の助けになるといえます。

相続人だけで十分な調査を行うことが難しい場合には、弁護士や税理士といった専門家に相談し、専門家を通じて金融機関等に照会してもらうという方法も考えられます。専門家が職務上の資格に基づいて行う照会であれば、相続人本人による照会よりも幅広い範囲で回答を得られることがあるとされており、保証債務の調査を効率的に進める手段の一つになり得ると考えられます。

保証債務の調査は、相続税の申告期限や相続放棄・限定承認の熟慮期間といった法律上の期限と並行して進める必要があるため、優先順位をつけて効率的に進めることが望ましいと考えられます。特に金額が大きくなりやすい事業性の保証から確認を始め、必要に応じて専門家の助力を得ながら進めていく方法が現実的といわれています。

信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行協会)の開示請求

指定信用情報機関に対して、法定相続人であることを証明する書類等を提出することで、被相続人本人が契約当事者となっている借入れやクレジットの利用状況について、開示を受けられる場合があるとされています。もっとも、開示される情報は各機関が保有する信用情報の範囲にとどまり、保証人としての地位そのものを網羅的に把握できるとは限らない点に留意が必要と考えられます。

開示手続きの具体的な必要書類や方法は各機関によって異なるとされているため、相続人自身が調べる場合には、各機関の案内を確認しながら進めることが望ましいと考えられます。

なお、開示の対象となるのはあくまで被相続人自身が借入れ等の当事者となっている情報が中心であるとされ、被相続人が第三者の保証人にとどまっている契約についてまで、必ずしも網羅的に把握できるわけではないと考えられます。信用情報機関の開示はあくまで手がかりの一つと位置づけ、他の資料もあわせて確認する姿勢が望ましいといえます。

開示請求に必要な書類は、戸籍謄本など相続人であることを証明する資料が中心になるとされていますが、各機関によって求められる様式や提出方法が異なるとされているため、事前に案内を確認し、不備なく準備しておくことが手続きを円滑に進めるうえで重要と考えられます。

契約書・通帳・郵便物などから読み取る手がかり

被相続人の自宅や事務所に保管されている契約書類、金融機関等からの郵便物、確定申告の際に使用していた書類などは、保証債務の有無を推測する手がかりになり得るとされています。特に、事業を営んでいた場合は、決算書の注記や金融機関との取引履歴に、保証に関する記載が残っていることもあると考えられます。

通帳の入出金履歴からは、保証履行のための送金や、保証料の支払いといった痕跡が見つかることもあるとされ、不自然な取引がないか確認することも一つの方法と考えられます。

加えて、被相続人が実印を使用した履歴や、印鑑証明書の交付を受けた記録が残っている場合には、その時期に何らかの契約行為があった可能性を示す手がかりになると考えられます。市区町村役場で交付履歴そのものを確認することは難しい場合もありますが、被相続人の手控えや家計簿のような記録が残っていれば、あわせて確認しておくとよいと考えられます。

被相続人が事業を営んでいた場合には、顧問の税理士や取引先に事情を伺うことも有効な手段の一つと考えられます。決算や税務申告の過程で保証に関する情報を把握していることもあるとされ、相続人自身では気づけない情報を補う機会になり得ると考えられます。

相続放棄・限定承認との関係

保証債務の存在が判明した場合、相続人が取り得る選択肢としては、単純承認のほか、相続放棄や限定承認が考えられるとされています。相続放棄をすれば、プラスの財産も含めて一切を承継しないことになるため、保証債務の負担を免れられると考えられますが、その分、預貯金や不動産などの財産も取得できなくなる点を踏まえた判断が必要とされています。

相続の承認・放棄をするかどうかは、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間)に判断する必要があるとされています。保証債務のように存在が把握しにくい財産・債務については、この期間内に十分な調査が終わらないことも想定されるため、必要に応じて家庭裁判所に熟慮期間の伸長を申し立てることも選択肢になると考えられます。

また、プラスの財産の範囲内でのみ債務を弁済する限定承認という方法も用意されているとされていますが、相続人全員が共同して申述する必要があるなど手続き上の要件があり、実務上の利用はそれほど多くないともいわれています。保証債務の規模が不透明な場合には、限定承認の活用を検討する余地があると考えられます。

相続放棄をする場合には、原則として相続人となる順位が次順位の親族に移ることになるとされています。保証債務を避けるために自分だけが相続放棄をしても、次順位の親族が思わぬ形で保証債務を承継することになりかねないため、放棄を検討する際には、その後の相続関係の広がりについても家族内で共有しておくことが望ましいと考えられます。

相続放棄と限定承認のどちらを選ぶべきかは、保証債務の規模だけでなく、プラスの財産の内容や、他の相続人との関係、手続きに要する時間や費用など、複数の要素を総合的に考慮して判断することになると考えられます。一つの選択肢に偏らず、それぞれのメリット・デメリットを整理したうえで、家族全体にとって望ましい方針を検討することが重要といえます。

何も判断をしないまま熟慮期間が経過すると、単純承認をしたものとみなされ、プラスの財産だけでなく保証債務も含めて無限に責任を負う結果になり得るとされています。保証債務の有無や規模がはっきりしない段階では、判断を先送りにするのではなく、早めに調査の見通しを立て、必要であれば家庭裁判所への相談も含めて計画的に進めることが望ましいと考えられます。

保証債務が発覚した場合の熟慮期間3か月の考え方

相続開始後に保証債務の存在が判明した場合であっても、熟慮期間の起算点は、相続人が相続の開始及び自己が相続人となったことを知った時とされるのが原則的な考え方とされています。もっとも、保証債務のように通常の調査では把握しがたい財産・債務が後から判明した特別な事情がある場合には、熟慮期間の起算点や伸長の可否について、個別の事情に応じた判断がなされる余地があるといわれています。

いずれにしても、保証債務の存在に気づいた時点で速やかに調査を進め、必要であれば早めに家庭裁判所への相談や申立てを検討することが望ましいと考えられます。

熟慮期間の伸長を申し立てる場合には、申立ての理由や必要な資料をあらかじめ整理しておくことが望ましいとされています。保証債務の調査にどの程度の時間を要する見込みであるかを具体的に示すことができれば、申立ての判断にあたって考慮される事情の一つになり得ると考えられます。

相続人が複数いる場合、熟慮期間の起算点や伸長の申立て状況は、必ずしも相続人全員について同じとは限らないとされています。相続人ごとに事情が異なる可能性があることを踏まえ、各自の状況を確認しながら手続きを進めることが望ましいと考えられます。

限定承認を選ぶ場合のメリットと手続き上の注意

限定承認は、相続によって得たプラスの財産の限度でのみ債務を弁済すればよいとされる制度で、保証債務の規模が見通せない場合に、財産を超える負担を負うリスクを抑えられる点がメリットとして挙げられるとされています。一方で、相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があるほか、財産の清算手続きが必要になるなど、単純承認や相続放棄に比べて手続きの負担が大きいといわれています。

限定承認を選択する場合は、税務上もみなし譲渡課税など特有の論点が生じ得るとされているため、手続きを進める前に専門家へ相談しながら全体像を整理することが望ましいと考えられます。

実務上、相続人の一人でも単純承認をしてしまうと、他の相続人が限定承認を選ぶことができなくなるとされているため、相続人が複数いる場合には、保証債務の存在をできるだけ早い段階で共有し、方針を揃えて検討することが重要になると考えられます。

限定承認を選択した場合、その後には財産目録の作成や、債権者への公告、換価手続きなど、一般的な相続手続きに比べて相応の労力を要する作業が続くとされています。手続き全体の見通しを事前に把握したうえで、選択の是非を検討することが望ましいと考えられます。

保証債務は相続税の債務控除の対象になるか

相続税の計算上、被相続人の債務のうち、相続開始の際に現に存する債務で確実と認められるものは、相続財産の価額から控除できるとされています。もっとも、保証債務については、原則としてこの債務控除の対象にならないという考え方が一般的とされています。

その理由として、保証債務は主たる債務者が弁済すべきものであり、保証人が実際に履行しなければならないかどうかは、相続開始の時点では確定していないためと説明されています。つまり、保証債務はその性質上「確実な債務」とはいえない場合が多いと考えられているためです。この考え方は、保証人になっているという事実だけでは、必ずしも将来的な経済的負担が現実のものになるとは限らないという点に着目したものと理解されています。相続税の計算は相続開始時点を基準に行われるため、その時点でまだ具体化していない負担をどこまで反映させるかという線引きの問題として捉えることができると考えられます。

ただし、主たる債務者が弁済不能な状態にあり、保証人がその債務を履行しなければならないことが確実であって、かつ主たる債務者に求償しても回収の見込みがないと認められるような特別な事情がある場合には、例外的に債務控除の対象になり得るとされています。この判断は個別の事実関係に大きく左右されるため、慎重な検討が必要と考えられます。

要件を満たさない保証債務を誤って控除してしまうと、相続税の申告内容に誤りが生じ、後日修正申告や追加の税負担が必要になる可能性もあるとされています。反対に、本来控除できるはずの債務を見落としてしまうと、相続税を必要以上に多く納める結果にもなりかねないため、いずれの方向にも偏らない慎重な検討が求められると考えられます。

相続税の申告書を作成する際には、被相続人の債務として認識しているものを漏れなく計上する必要があるとされていますが、保証債務のように控除の可否が個別判断による項目については、機械的に一覧へ加えるのではなく、その時点で入手できる資料に基づいて慎重に整理することが望ましいと考えられます。判断に迷う場合には、控除の対象とせず、より慎重な取り扱いをしておくという考え方も選択肢の一つになり得ます。

「確実な債務」といえるかどうかの判断

相続税の債務控除の対象となる債務は、金額が確定していることに加えて、履行が確実であることが求められるとされています。保証債務は、主たる債務者が正常に返済を続けている限り、保証人が実際に支払いを求められる可能性は低く、確実な債務とは言いにくいと考えられています。

これに対し、主たる債務者が既に破産手続きを開始している、あるいは事実上返済能力を失っているなど、保証人が保証履行を求められることがほぼ避けられない状況にあると認められる場合には、確実な債務として扱われる余地があるとされています。こうした判断は、決算状況や返済実績などの資料をもとに個別に検討する必要があると考えられます。

また、主たる債務者が返済を続けているものの、業績が悪化しているといった中間的な状況では、確実な債務といえるかどうかの評価がより難しくなると考えられます。こうした場合には、決算書の推移や資金繰りの状況など、複数年にわたる資料を確認しながら慎重に判断することが望ましいといえます。

また、主たる債務者が個人である場合には、法人の場合とは異なり、収入や生活状況、他に所有する財産の有無などを踏まえて弁済能力を見極める必要があるとされています。判断材料が限られることも多く、慎重な資料収集が求められると考えられます。

主たる債務者が弁済不能な場合の求償権と評価

保証人が保証債務を履行した場合、主たる債務者に対して支払った金額を請求できる求償権を取得するとされています。この求償権は本来、相続財産としてプラスの価値を持ちますが、主たる債務者に返済能力がなく、回収の見込みが乏しい場合には、その価値をゼロに近い金額と評価せざるを得ないこともあると考えられます。

債務控除の可否を検討する際には、保証債務の履行の確実性と、それに対応する求償権の回収可能性の両方をあわせて確認する必要があるとされ、資料の整理には一定の時間を要することも想定されます。

主たる債務者の財産状況を示す資料としては、破産手続きの開始決定書や、清算結了の登記事項証明書などが参考になり得るとされています。こうした客観的な資料をもとに、求償権が回収不能であることを裏付けられるかどうかが、実務上の判断の分かれ目になると考えられます。

なお、相続人が求償権をあえて行使せずに放棄するような対応を取る場合には、その経緯によっては別の課税関係が問題になる可能性も指摘されているとされています。求償権の取り扱いを決める際には、目先の判断だけでなく、税務上の影響もあわせて確認しておくことが望ましいと考えられます。

保証債務がある場合の遺産分割の考え方

金銭債務である保証債務は、遺産分割の対象にはならず、相続人の間で分割協議を経なくても、法定相続分に応じて当然に分割され、各相続人に帰属するという考え方が示されているとされています。そのため、遺産分割協議書の中で特定の相続人が保証債務を全て引き受けるという合意をしたとしても、それだけでは債権者に対してその効力を主張することはできないと考えられます。

債権者との関係で保証債務の負担者を変更するためには、債権者の承諾を得た上での債務引受契約など、別途の手続きが必要になるとされています。相続人間の内部的な合意だけで済ませてしまうと、後になって債権者から法定相続分に応じた請求を受ける可能性が残る点に注意が必要と考えられます。特に、保証債務を負担する予定の相続人が、実際にはプラスの財産をあまり取得しない内容で遺産分割を行おうとしている場合には、後になって不公平感が生じたり、履行能力に不安が残ったりすることもあると考えられます。プラスの財産と保証債務の負担のバランスを意識しながら分割内容を検討することが望ましいといえます。

したがって、保証債務があることが判明した場合には、遺産分割協議の内容を検討する際に、保証債務の負担割合をどう調整するか、また債権者との関係をどう整理するかを、プラスの財産の分け方とあわせて話し合っておくことが望ましいと考えられます。

相続税の申告書においても、債務控除として計上する債務については、誰がどの程度の割合で負担するかを整理しておく必要があるとされています。保証債務のように対外的な帰属と内部的な負担割合がずれる可能性がある場合には、申告書の作成にあたって、その前提となる遺産分割の内容と整合性が取れているかを確認しておくことが望ましいと考えられます。

あわせて、保証債務の存在やその負担に関する相続人間の話し合いの内容を、遺産分割協議書やその他の書面に記録として残しておくことも有用と考えられます。合意の経緯や前提となった情報を書面化しておくことは、対外的な効力とは別に、後日相続人間で認識の相違が生じることを防ぐ工夫の一つになり得るといえます。

保証債務を特定の相続人に負担させる合意の対外的効力

相続人間で「保証債務は長男が引き受ける」といった内容の合意をしても、その合意はあくまで相続人同士の内部的な取り決めにとどまり、債権者に対して当然に主張できるものではないとされています。債権者が合意の内容を認めない限り、他の相続人も法定相続分に応じた保証債務の履行を求められる可能性が残ると考えられます。

そのため、特定の相続人に保証債務を集中させたい場合には、債権者との間で免責的債務引受などの手続きを別途行うことが望ましいとされ、単なる遺産分割協議書の記載だけでは不十分な場合があると考えられます。

免責的債務引受を行うには、原則として債権者の承諾が必要とされており、債権者にとって引受人となる相続人の弁済能力が十分と認められなければ、承諾が得られない可能性もあると考えられます。特に保証債務の額が大きい場合には、交渉に時間を要することも想定しておく必要があるといえます。

遺産分割協議書に「保証債務は誰々が負担する」と記載しておくこと自体は、相続人間の合意を明確にする意味で意義があると考えられますが、それだけで債権者に対抗できるわけではないという点は、繰り返し確認しておくべき重要なポイントといえます。

代償分割による負担の調整

保証債務を特定の相続人が事実上引き受ける代わりに、他の相続人に対して代償金を支払う、あるいは他の財産の取得割合を調整するといった形で、相続人間の実質的な公平を図る方法が用いられることもあるとされています。もっとも、こうした調整はあくまで相続人間の内部的な清算にとどまり、対外的な保証債務の帰属を変更するものではない点に留意が必要と考えられます。

代償分割を行う場合には、保証債務が将来どの程度履行される可能性があるかという評価が容易ではないため、相続人間で十分に情報を共有した上で協議を進めることが望ましいと考えられます。

また、保証債務の履行を求められる可能性がある相続人については、預貯金など換金しやすい財産を優先的に取得できるように配分を調整しておくといった工夫も、実務上は考えられる対応の一つとされています。将来の負担を見据えた財産の組み合わせを検討することが、結果的に相続人間の紛争を防ぐことにつながると考えられます。

保証債務を引き受ける相続人がいる場合には、その負担に見合う形で他の財産の取得割合を多めにするといった調整を行うことも考えられますが、保証債務が実際に履行されるかどうかは不確実であるため、調整の程度をどこまでにするかは相続人間で十分に話し合って決めることが望ましいと考えられます。

保証履行後の求償権の扱いと税務上の注意点

相続人が保証人としての地位を承継した後、実際に主たる債務者に代わって弁済(保証履行)を行った場合、その相続人は主たる債務者に対する求償権を取得するとされています。この求償権は、履行した時点で新たに発生する相続人固有の財産であり、相続税の課税対象になっていた被相続人の財産そのものとは区別して考える必要があると考えられます。

求償権を行使して主たる債務者から回収できた場合には特段の問題は生じにくいと考えられますが、主たる債務者に資力がなく回収が見込めない場合には、求償権そのものが実質的に無価値になってしまうこともあるとされています。このような場合、相続税の申告時点で見込んでいた債務控除の考え方と、実際の履行状況との間にずれが生じる可能性もあると考えられます。保証履行は、相続開始の直後にすぐ行われるとは限らず、主たる債務者の返済状況によっては、相続開始から数年後に初めて現実の負担として顕在化することもあると考えられます。相続人としては、保証債務が残っている限り、長期にわたって状況を見守る必要があるという点もあらかじめ理解しておくことが望ましいといえます。

なお、相続税の申告後に保証債務の履行や求償権の回収不能が明らかになった場合の対応については、更正の請求など別途の手続きが問題になり得るとされていますが、適用の可否は個別の事実関係によって左右されるため、慎重な確認が必要と考えられます。

相続税の申告時点では保証債務の履行が確実とはいえず債務控除をしなかったものの、その後何年か経ってから実際に履行を求められ、求償権の回収も見込めなくなったというケースも想定されます。このように申告後に生じた事情の変化にどう対応するかは、個々の状況に応じた判断が必要になるとされ、早めに専門家へ相談することが望ましいと考えられます。

更正の請求には、法律で定められた期間の制限があるとされているため、保証履行や回収不能の事実が判明した際には、時間の経過とともに手続きの選択肢が狭まる可能性がある点にも注意が必要と考えられます。事実関係が判明した時点で、早めに専門家に相談し、対応の要否を確認しておくことが望ましいといえます。

主たる債務者への求償権の相続財産としての評価

保証履行によって取得した求償権は、原則としてその履行を行った相続人自身の財産であり、相続税の課税価格を構成する被相続人の相続財産には当たらないと考えられています。ただし、被相続人が生前に保証履行を済ませ、既に求償権を有していた場合には、その求償権自体が被相続人の相続財産として評価の対象になり得るとされています。

求償権の評価に当たっては、主たる債務者の資力や返済の見込みを踏まえて、回収可能性を検討する必要があるとされ、形式的な債権額をそのまま評価額とすることが適切でない場合もあると考えられます。求償権に対する遅延損害金や利息が生じている場合には、これらもあわせて評価の対象になり得ると考えられ、契約内容や履行の経緯を踏まえた確認が必要になるといえます。

実務上は、求償権の額面どおりに評価するのではなく、回収の見込みに応じて評価額を減額するかどうかを、他の金銭債権の評価の考え方と同様に検討することになると考えられます。判断が難しい場合には、専門家に相談しながら資料を整えていくことが望ましいといえます。

被相続人が生前に既に保証履行を済ませ、求償権を有していた場合には、その求償権を相続税の申告書上、財産の一つとして記載する必要があるとされています。回収の見込みが乏しいことを理由に評価額を低くする場合には、その根拠となる資料をあわせて整理しておくことが望ましいと考えられます。

求償権が回収不能な場合の貸倒れの取り扱い

主たる債務者が破産手続きの開始決定を受けているなど、求償権の回収が客観的に見込めないと認められる状況にある場合には、その求償権の価値を評価する上で、回収不能な部分を考慮する必要があるとされています。もっとも、こうした判断は個々の事案の資力状況や手続きの進行状況によって大きく異なるため、機械的に判断できるものではないと考えられます。

実務上は、主たる債務者の財務状況を示す資料や、破産・再生手続きの進行状況を示す資料をもとに、専門家に個別に確認しながら評価や申告の内容を検討することが望ましいと考えられます。回収の見込みがほとんどないと判断される場合には、実質的な負担が生じていることを踏まえて、資産全体の見直しを検討する契機にもなり得ると考えられ、早めの対応が望ましいといえます。

また、求償権についても金銭債権である以上、一定期間行使しないでいると時効によって消滅する可能性があるとされています。回収の見込みがあると考えられる場合には、時効の完成を防ぐための対応を含め、権利を放置しないよう注意しておくことが望ましいと考えられます。

主たる債務者が個人である場合には、自己破産や個人再生といった債務整理の手続きが行われているかどうかを確認することで、求償権の回収可能性を検討する材料になり得るとされています。裁判所への照会や、破産管財人とのやり取りを通じて状況を把握することも一つの方法と考えられます。

保証人の地位を残さないための生前対策

保証債務をめぐる相続人の負担を軽減するためには、被相続人となる本人が生前のうちに、自身が抱えている保証契約の内容を整理し、可能な範囲で見直しておくことが有効と考えられます。特に、経営者保証については、事業承継の場面にあわせて金融機関との間で保証契約の解除や見直しを協議できる場合があるとされ、早めに着手することが望ましいといわれています。

また、賃貸借契約など日常的な場面での保証についても、保証人としての地位が長期間にわたって残っていないか、定期的に確認しておくことが望ましいと考えられます。契約の相手方の状況が変化している場合には、保証人の変更や契約の見直しを申し出ることも一つの対応策になり得るとされています。

あわせて、自身がどのような保証契約を結んでいるかを一覧にまとめ、家族に共有しておくことも、相続開始後の混乱を減らす手段として有効と考えられます。契約書の保管場所や金融機関の連絡先を整理しておくだけでも、相続人が保証債務の有無を確認する際の負担を軽減できると考えられます。

生前対策というと、相続税そのものを軽減するための対策に目が向きがちですが、保証債務のような消極財産への備えも、家族の生活を守るという観点からは同じくらい重要な対策の一つと考えられます。プラスの財産を増やす・守るという発想とあわせて、マイナスの財産をどう管理し、伝えていくかという視点も持っておくことが望ましいといえます。

そもそも、新たに保証人になることを依頼された際には、その時点で慎重に判断することも重要な備えの一つと考えられます。安易に引き受けてしまうと、将来、自身の相続人に予期しない負担を残す結果になりかねないため、保証の必要性や範囲、期間についてよく確認したうえで判断することが望ましいといえます。

保証債務をめぐる問題は、民法上の権利義務の承継という法律面と、相続税の債務控除という税務面の両方にまたがる専門的な内容を含んでいるため、相続人だけで判断せず、早い段階で弁護士や税理士といった専門家に相談しながら対応を進めることが望ましいと考えられます。特に相続放棄や限定承認の期限が絡む場面では時間的な制約も大きいことから、迅速に専門家へつなぐことが、結果的に相続人の負担軽減につながると考えられます。

保証契約の見直し・解除、経営者保証ガイドラインの活用

中小企業の経営者保証については、経営者保証に関するガイドラインの考え方を踏まえ、事業承継や借換えのタイミングで、金融機関との間で保証契約の解除や保証範囲の縮小を協議できる場合があるとされています。すべてのケースで保証を外せるとは限らないものの、後継者や相続人への影響を軽減する観点から、早い段階で金融機関に相談しておくことが望ましいと考えられます。

保証契約の見直しには一定の時間を要することも多いとされているため、事業承継の計画を立てる際には、あわせて保証契約の整理も検討課題に含めておくことが望ましいと考えられます。取引金融機関が複数ある場合には、それぞれの対応方針が異なることもあり得るため、一つの金融機関との交渉結果をもって全体の見通しとせず、金融機関ごとに状況を確認していく姿勢が望ましいと考えられます。

後継者への事業承継を進める場面では、後継者自身が新たに保証人となることを求められる一方で、先代経営者の保証をどう整理するかが課題になることも多いとされています。事業承継税制など他の制度とあわせて、保証契約の取り扱いについても早い段階から金融機関と話し合っておくことが望ましいと考えられます。

仮に生前に保証契約を完全に解消できなかった場合でも、後継者や家族に対して、保証の内容や金融機関の窓口をあらかじめ伝えておくことで、相続開始後の対応をいくらか円滑にできる可能性があると考えられます。準備を先延ばしにせず、できる範囲から着手しておくことが望ましいといえます。

遺言・生前の情報整理でできること

保証契約そのものを解消できない場合であっても、遺言や財産目録の作成にあわせて、自身が保証人となっている契約の一覧を整理し、家族に伝えておくことは、相続開始後の対応を円滑にする一助になると考えられます。契約書の写しや金融機関の担当者の連絡先を保管場所とともに書き残しておくことも、有効な備えの一つとされています。

保証債務は財産目録に記載されないことも多く、相続人が気づきにくい性質を持っていると考えられるため、生前のうちに情報を可視化しておくことが、相続人の負担軽減につながると考えられます。

エンディングノートのような形式で、資産だけでなく保証契約のような消極的な財産についても記録を残しておく取り組みは、相続人が相続開始後に手続きを進めるうえでの見通しを立てやすくすると考えられます。定期的に内容を見直し、契約関係に変化があった際には記録を更新しておくことも大切な習慣といえます。

家族間であらかじめ話し合いの機会を持ち、資産や負債、保証契約の有無について共有しておくことも、相続開始後の混乱を減らすうえで有効と考えられます。話しにくい話題であるからこそ、意識的に機会を設けておくことが望ましいといえます。相続が発生してから慌てて調べ始めるのではなく、日頃から少しずつ情報を整理し、共有しておく積み重ねが、結果として相続人の安心につながっていくと考えられます。

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