[池袋] 相続人の順位と法定相続分をわかりやすく解説 誰が相続人になるのか
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query_builder 2026/07/21 相続税

相続が発生すると、まず「誰が相続人になるのか」「それぞれどれくらいの割合で財産を受け取るのか」を確認する必要があります。民法では相続人になれる人の範囲と優先順位、そして法定相続分と呼ばれる取り分の目安があらかじめ定められています。しかし配偶者の有無や子の人数、養子縁組や離婚・再婚といった家族構成の違いによって、実際に相続人となる人やその相続分は大きく変わります。本記事では、法定相続人の基本的な考え方から、第一順位の子、第二順位の直系尊属、第三順位の兄弟姉妹という優先順位の仕組み、具体的な相続分の割合、そして相続人を確定させる際に注意すべき点まで、順を追って整理して解説します。あわせて、遺産分割協議における法定相続分の位置づけや、離婚・再婚・養子縁組などで家族関係が複雑になっている場合の留意点についても取り上げます。

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法定相続人とは何か その基本的な考え方

人が亡くなったとき、その人の財産を誰が引き継ぐのかは、遺言がない限り民法の定める「法定相続人」のルールに従って判断されます。法定相続人には大きく分けて二つの立場があります。一つは配偶者であり、もう一つは血のつながりのある親族、いわゆる血族相続人です。配偶者は法律上の婚姻関係にある夫または妻を指し、内縁関係にあるパートナーは原則として含まれません。これに対して血族相続人には、子や孫といった直系卑属、父母や祖父母といった直系尊属、そして兄弟姉妹などが該当し、これらの間には優先順位が設けられています。

相続の場面でまず押さえておきたいのは、配偶者と血族相続人とでは扱いが異なるという点です。配偶者は、亡くなった人に子や親、兄弟姉妹がいるかどうかにかかわらず、常に相続人になります。一方で血族相続人は、全員が同時に相続人になるわけではなく、民法が定めた順位に従って、上位の順位の人がいる場合には下位の順位の人は相続人にならないという仕組みになっています。つまり、配偶者は常に相続人としての地位を持ち、血族相続人はその時々の家族状況によって相続人になったりならなかったりするということです。

この優先順位の考え方を正しく理解しておくことは、相続手続き全体の出発点として非常に重要です。誰が相続人であるかが曖昧なまま遺産分割の話し合いを進めてしまうと、後になって別の相続人の存在が判明し、それまでの合意が無効になってしまうこともあります。次のセクション以降では、血族相続人の各順位について、具体的にどのような人が該当するのか、また代襲相続と呼ばれる仕組みも含めて詳しく見ていきます。

  • 配偶者は常に相続人になる
  • 血族相続人には第一順位から第三順位までの優先順位がある
  • 上位の順位の相続人がいれば下位の順位の人は相続人にならない

実務上、金融機関の預金解約や不動産の名義変更などの手続きでは、誰が法定相続人であるかを客観的に証明するために戸籍謄本一式の提出を求められるのが通常です。そのため、優先順位の考え方を正しく理解しておくことは、単なる制度知識にとどまらず、実際の相続手続き全体をスムーズに進めるための土台にもなります。

配偶者相続人の位置づけ

配偶者は、亡くなった人との婚姻関係が法律上有効である限り、他の血族相続人の有無にかかわらず必ず相続人になります。これは、配偶者が被相続人と生活を共にし、財産形成に何らかの形で寄与してきたことが多いという実態を踏まえた考え方に基づくものとされています。ただし、この「配偶者」に該当するのはあくまで法律上婚姻届を提出している夫婦関係にある人であり、長年連れ添った内縁の配偶者や、事実婚のパートナーは法定相続人には含まれません。この点は、感覚的な家族観と法律上の扱いが一致しない代表的な例として、しばしば誤解が生じやすい部分でもあります。なお、婚姻期間の長さそのものは、配偶者が相続人になれるかどうかには影響しません。婚姻から日が浅い場合であっても、法律上の婚姻関係が成立していれば配偶者としての相続権は認められます。反対に、どれだけ長年連れ添った内縁関係であっても、婚姻届を提出していない以上は法定相続人として扱われないという原則に変わりはなく、この点は生前の財産分けの意向がある場合には遺言などの別の手段を検討する必要が出てきます。

また、相続開始時点で離婚が成立している元配偶者には相続権がありません。反対に、別居中であっても離婚が正式に成立していなければ、法律上は配偶者として相続人の地位を持ち続けます。したがって、長期間別居していたケースや、離婚調停の途中で一方が亡くなったケースなどでは、戸籍上の婚姻関係がどうなっているかを正確に確認することが欠かせません。配偶者の法定相続分は、後述するように、一緒に相続人となる血族相続人が子なのか、直系尊属なのか、兄弟姉妹なのかによって割合が変動する点にも注意が必要です。相続開始前に離婚が成立していたかどうかは、戸籍の記載で客観的に確認できる事柄であるため、判断に迷う場合には戸籍謄本の内容をもとに確認するのが確実な方法といえます。

血族相続人の順位のルール

血族相続人については、民法上あらかじめ三つの順位が定められており、上位の順位に該当する人が一人でもいれば、下位の順位の人は相続人にはなりません。第一順位は被相続人の子(実子・養子を問わず、また子がすでに亡くなっている場合の孫などの代襲相続人を含みます)、第二順位は父母や祖父母などの直系尊属、第三順位は兄弟姉妹とされています。たとえば被相続人に子が一人でもいれば、たとえ健在の父母がいたとしても、父母は相続人にはなりません。子がいない場合に初めて、父母などの直系尊属が相続人としての地位を得ることになります。

この仕組みは、被相続人により近い関係にある親族を優先して財産を承継させるという考え方に基づいています。順位が下がるほど、被相続人との関係性は一般的に遠くなっていくため、より近しい血族が優先されるという整理です。なお、同じ順位の中に複数の人がいる場合(たとえば子が二人以上いる場合など)は、その人たちが同順位の相続人として共同で相続することになります。次のセクションからは、この第一順位・第二順位・第三順位のそれぞれについて、具体的にどのような人が該当し、どのような点に注意すべきかを詳しく確認していきます。この順位のルールは、被相続人に子がいる限り、父母や兄弟姉妹がどれだけ被相続人と親密な関係にあったとしても相続人にはならないという、やや厳格な形で運用されます。感情的な近さと法律上の順位が一致しないことも多いため、家族間で「なぜあの人が相続人にならないのか」といった疑問が生じることもありますが、これは民法があらかじめ定めた画一的なルールに基づく結果であると理解しておく必要があります。

第一順位となる子 実子・養子・代襲相続の考え方

血族相続人の中で最も優先順位が高いのは、被相続人の子です。子が一人でもいれば、その子は父母や兄弟姉妹に優先して相続人になります。ここでいう子には、婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子(嫡出子)だけでなく、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)も含まれます。非嫡出子であっても、父親については認知を受けていれば法律上の親子関係が成立し、相続人としての地位を持つことになります。また、実子だけでなく、正式な養子縁組の手続きを経た養子についても、実子と基本的に同じ立場で相続人になるとされています。

養子縁組には大きく分けて普通養子縁組と特別養子縁組があります。普通養子縁組の場合、養子は養親の相続人になると同時に、実の父母との親子関係も原則として存続するため、実の父母が亡くなった際にも相続人になり得るという特徴があります。一方、特別養子縁組の場合は実の父母との法律上の親子関係が終了するため、実の父母の相続人にはならず、養親のみの相続人となります。この違いは、家族構成が複雑なケースで相続人を確定する際に見落とされがちなポイントであり、注意が必要です。

子が被相続人よりも先に亡くなっている場合には、その子の子、つまり被相続人から見た孫が代わりに相続人になる「代襲相続」という仕組みが用意されています。代襲相続は、本来相続人になるはずだった人が相続開始前に死亡していた場合や、一定の事由により相続権を失っていた場合に、その人の子が代わりに相続する制度です。第一順位の代襲相続には回数の制限がなく、孫がすでに亡くなっていればひ孫が相続人になるというように、直系卑属が続く限り代を重ねて相続することが可能とされています。

なお、胎児についても特別な扱いが定められており、相続開始の時点ですでに生まれていなくても、その後生きて生まれてくれば、相続については既に生まれていたものとみなされます。そのため、被相続人の死亡時に配偶者が妊娠していた場合には、生まれてくる子も将来の相続人となる可能性がある点をあらかじめ考慮しておく必要があります。

実子と養子の相続分の扱い

実子と養子が同時に相続人となる場合、両者の法定相続分に基本的な差は設けられておらず、原則として同じ割合で財産を分け合うことになります。かつては非嫡出子の相続分を嫡出子の二分の一とする規定がありましたが、この規定は見直され、現在では嫡出子であるか非嫡出子であるかによって相続分に差を設けない取り扱いとなっています。したがって、婚姻関係にある夫婦の子と、認知された非嫡出子が両方存在する場合でも、基本的には同じ割合の相続分を持つことになります。

養子についても同様で、実子と養子が複数いる場合、養子であることを理由に相続分が減らされることはありません。ただし、実務上気をつけたいのは、普通養子縁組をした養子が実の父母との親子関係を維持している場合、養親側と実親側の双方の相続において相続人になり得るという点です。これにより、一人の養子が二つの家系の相続に関わることになり、財産を受け取る機会が実子よりも多くなる可能性がある点は、家族間で誤解や不満が生じやすいポイントの一つとされています。相続人を確定する際には、養子縁組の種類と実親との関係が継続しているかどうかを戸籍で確認することが欠かせません。なお、特別養子縁組によって養子になった人については、実の父母との法律上の親子関係がすでに消滅しているため、実の父母が亡くなった際にその相続人になることはありません。これに対し、普通養子縁組の場合は実親との親子関係が存続するため、養親・実親の双方の相続に関わり得るという違いがあり、養子縁組の種類を戸籍で確認することが相続人確定の出発点になります。

子が先に死亡している場合の代襲相続

被相続人の子が、被相続人よりも先に、あるいは同時に亡くなっていた場合、本来その子が受け取るはずだった相続分は、その子の子(被相続人からみた孫)が代わりに引き継ぎます。これが代襲相続と呼ばれる仕組みです。たとえば被相続人に子が二人おり、そのうち一人がすでに亡くなっていて孫が二人いる場合、亡くなった子が受け取るはずだった相続分を、その孫二人で均等に分け合うという形になります。代襲相続人である孫の相続分は、あくまで亡くなった親の相続分を引き継ぐものであり、健在の子の相続分を目減りさせるものではありません。

代襲相続が発生するのは、子が死亡していた場合だけでなく、相続欠格や相続人としての地位を失わせる一定の事由に該当した場合にも生じるとされています。一方で、相続放棄をした場合には代襲相続は発生しない点が重要な違いです。相続放棄をした人は、最初から相続人ではなかったものとして扱われるため、その人の子が代わりに相続することはありません。第一順位の代襲相続には回数の制限がなく、孫も亡くなっていればひ孫へと引き継がれていきますが、実務上は代襲相続が重なるほど相続人の人数が増え、関係者の把握や連絡調整が煩雑になりやすい点にも留意が必要です。また、代襲相続人となる孫が複数いる場合、その相続分は均等に分けられるのが原則ですが、孫の一部がさらに被相続人より先に死亡し、ひ孫がいるようなケースでは、代襲相続がさらに一段階先へと連鎖していきます。このように第一順位の代襲相続は世代を重ねて生じ得るため、相続人の範囲を確定する際には、想定より広い範囲の親族を調査対象に含める必要が生じることがあります。

第二順位となる直系尊属 父母や祖父母が相続人になる場合

被相続人に子がおらず、子の代襲相続人となる孫やひ孫もいない場合には、次の順位である直系尊属が相続人になります。直系尊属とは、被相続人の父母や祖父母、さらにその上の世代など、被相続人から見て直系の上の世代にあたる親族を指します。もっとも一般的なのは、被相続人の父母が健在であるケースで、この場合は父母が第二順位の相続人として財産を引き継ぐことになります。父母がともに健在であれば、二人で相続分を均等に分け合う形になります。

第二順位の直系尊属については、代襲相続という考え方は適用されません。これは、代襲相続が本来「下の世代への承継」を前提とした仕組みであるのに対し、直系尊属の相続はもともと上の世代への承継であるため、性質が異なるためです。その代わり、直系尊属の相続については「親等の近い人が優先される」という独自のルールが設けられています。つまり、父母が一人でも健在であれば、たとえ祖父母が存命であっても祖父母は相続人にはならず、父母のみが相続人になります。

父母がいずれもすでに亡くなっている場合に初めて、祖父母が相続人としての地位を得ることになります。祖父母が父方・母方の両方で健在であるようなケースでは、複数人が同順位の相続人として相続分を分け合うことになります。実務上、直系尊属が相続人になるケースは、被相続人が若くして子をもうけないまま亡くなった場合や、子がいても全員が相続放棄をした場合などに生じやすく、想定していなかった祖父母や親族が急に相続人として登場することもあるため、事前の想定と実際の相続人の範囲にずれが生じやすい局面といえます。なお、被相続人の父母のうち一方が離婚しており、その後まったく交流がなかったという場合でも、法律上の親子関係が続いている限り、その父または母は直系尊属として相続人になります。実の親であっても長年疎遠であったというだけでは相続権は失われないため、家族関係が複雑な場合には、想定していなかった直系尊属が相続人として登場する可能性も踏まえておく必要があります。

父母が相続人となるケース

被相続人に子や代襲相続人となる孫がおらず、直系尊属である父母が健在の場合、父母は第二順位の相続人として財産を相続します。父母の双方が存命であれば、二人で均等に相続分を分けることになり、一方がすでに亡くなっている場合には、健在の一方のみが直系尊属としての相続人になります。ここで注意したいのは、養子縁組をしている場合の父母の扱いです。普通養子縁組をした被相続人については、養親だけでなく実の父母も直系尊属として相続人になり得るため、養親と実親の双方が同時に相続人候補として登場するケースが生じ得ます。

また、被相続人に配偶者がいる場合、父母は配偶者とともに相続人になります。この場合の相続分の割合については次のセクションで詳しく取り上げますが、配偶者と子が相続人になるケースとは異なる割合が適用される点を押さえておく必要があります。父母が相続人となる場面では、すでに高齢である父母自身の判断能力や意思確認、遠方に住んでいる場合の連絡調整など、実務上配慮すべき点が多く生じやすいことも実情として知っておくとよいでしょう。父母が相続人となる場合、被相続人に配偶者がいなければ、父母のみで遺産の全体を分け合うことになります。父母が離婚している場合でも、双方とも直系尊属としての相続権を失うわけではないため、離婚後に別々の生活を送っていた父と母がともに相続人として名を連ねるということも起こり得ます。このような場合、父母それぞれと個別に連絡を取り、遺産分割協議への参加を求める必要が生じます。

祖父母が相続人となるケース(父母がいない場合)

被相続人の父母がいずれもすでに亡くなっている場合には、直系尊属の中でも次に親等の近い祖父母が相続人になります。祖父母が父方・母方の双方に健在であれば、全員が同順位の相続人として相続分を分け合うことになり、片方の家系の祖父母しか存命でなければ、その存命している祖父母のみが相続人になります。祖父母がすでに全員亡くなっている場合には、さらに上の世代である曽祖父母が相続人になり得ますが、実務上このように上の世代までさかのぼって相続人が確定するケースは多くはありません。

祖父母が相続人になるという状況は、被相続人が比較的若い年齢で、子をもうける前に亡くなった場合などに生じやすく、相続人となる祖父母自身もかなりの高齢であることが少なくありません。そのため、遺産分割協議を進めるにあたって、祖父母の判断能力の確認や、必要であれば成年後見制度の利用を検討しなければならない場面も出てきます。また、直系尊属が相続人となるケースでは、被相続人に子がいないことをどのように確認するかが重要な出発点となるため、次に説明する戸籍調査の重要性ともあわせて理解しておくことが望まれます。祖父母の中には、被相続人が生まれる前後の時期にはすでに高齢であったという方も多く、相続が発生する時点では施設に入所していたり、判断能力が十分でなかったりするケースも見られます。そのような場合には、遺産分割協議を有効に成立させるために、成年後見人を選任した上で手続きを進める必要が生じることもあり、通常の相続よりも時間を要する傾向があります。

第三順位となる兄弟姉妹とその代襲相続の範囲

被相続人に子も直系尊属となる父母・祖父母もいない場合には、第三順位である兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹には、父母の双方を同じくする全血の兄弟姉妹だけでなく、父母の一方のみを同じくする半血の兄弟姉妹も含まれます。ただし、実務上の相続分の計算においては、全血の兄弟姉妹と半血の兄弟姉妹とで割合に違いが設けられており、半血の兄弟姉妹の相続分は全血の兄弟姉妹の二分の一とされている点は見落とされやすい重要なポイントです。

兄弟姉妹が相続人になる場面としては、被相続人が生涯独身であった場合や、結婚していても子をもうけなかった場合、また父母や祖父母がすでに全員亡くなっている場合などが典型的です。特に高齢の被相続人については、父母や祖父母がすでに他界していることが多いため、配偶者がいない、あるいは配偶者も先に亡くなっているケースでは、兄弟姉妹が主要な相続人になる可能性が高くなります。

兄弟姉妹についても、被相続人より先に死亡していた場合には代襲相続の仕組みが適用されますが、第一順位の子の代襲相続とは異なり、その範囲には制限が設けられています。具体的には、兄弟姉妹の代襲相続は、その子である甥・姪までの一代限りとされており、甥・姪がさらに死亡していても、その子(甥・姪の子)には代襲相続は及びません。これは、相続関係が世代を重ねるにつれて被相続人との血縁関係が希薄になっていくことを踏まえた制度設計とされています。兄弟姉妹が相続人になる場面では、被相続人との関係が疎遠であることも多く、遺産の内容や金額について兄弟姉妹側が十分な情報を持っていないケースも見られます。そのため、相続財産の全体像を丁寧に開示し、納得を得ながら手続きを進めることが、円滑な遺産分割のために重要になります。

兄弟姉妹が相続人となる場合

兄弟姉妹が相続人になるのは、被相続人に子や代襲相続人となる孫がおらず、なおかつ父母や祖父母などの直系尊属もすでに全員亡くなっている場合に限られます。この段階まで来ると、相続人の範囲はかなり被相続人から見て「遠い」親族にまで広がっていることになり、被相続人と長年疎遠であった兄弟姉妹が突然相続人として登場するケースも少なくありません。特に高齢の被相続人が亡くなった場合、その兄弟姉妹もすでに高齢であることが多く、体調面や判断能力の問題から遺産分割協議への参加が難しいことも実務上しばしば見られます。

また、前述のとおり、父母の双方を同じくする全血の兄弟姉妹と、父母の一方のみを同じくする半血の兄弟姉妹とでは、法定相続分の割合に違いがあります。半血の兄弟姉妹の相続分は全血の兄弟姉妹の二分の一とされているため、複数の兄弟姉妹がいる場合には、それぞれがどちらに該当するのかを正確に把握しておく必要があります。特に、被相続人の父母がそれぞれ再婚しているようなケースでは、異母きょうだい・異父きょうだいの存在が後から判明することもあり、戸籍を丁寧にたどって確認する作業が欠かせません。兄弟姉妹の人数が多い家庭では、相続人の数自体が多くなり、一人ひとりの相続分は少額になりやすい一方で、全員から合意を得なければ遺産分割協議が成立しないという点は変わりません。連絡先が分からない兄弟姉妹がいる場合には、戸籍の附票などを取り寄せて住所を調査するところから始める必要があり、相続手続き全体が長期化する要因にもなります。

甥・姪への代襲相続とその範囲の限界

兄弟姉妹が被相続人よりも先に亡くなっていた場合、その兄弟姉妹の子、つまり被相続人から見た甥や姪が代わりに相続人になります。これも代襲相続の一種ですが、第一順位である子の代襲相続とは異なり、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りに制限されているという点が大きな特徴です。つまり、甥や姪までは代襲相続が認められますが、その甥や姪もすでに亡くなっていて、さらにその子がいるという場合には、そこから先へは代襲相続が及ばないとされています。

この一代限りという制限は、相続関係の希薄化を踏まえた考え方に基づくものとされており、子の代襲相続に回数制限がないこととは対照的な扱いになっています。実務上、兄弟姉妹の代襲相続が問題になる場面では、被相続人の兄弟姉妹の人数だけでなく、そのうち何人がすでに死亡しているか、死亡している場合にその子(甥・姪)が何人いるかまで戸籍を通じて確認する必要があり、相続人の調査に相応の手間と時間がかかることが少なくありません。特に、被相続人と疎遠であった甥・姪を探し出し、連絡を取って遺産分割協議に参加してもらうプロセスは、実務上大きな負担となりやすい部分です。甥・姪が代襲相続人になる場合、被相続人からすれば血縁関係はかなり遠くなっているため、面識がまったくないということも珍しくありません。そのため、相続財産の内容を説明し、遺産分割協議への参加を依頼する連絡そのものが、心理的にも実務的にもハードルの高い作業になりがちです。専門家に間に入ってもらい、事務的な連絡から進めてもらうという方法がとられることもあります。

相続人の組み合わせ別に見る法定相続分の割合

相続人が誰になるかが決まったら、次に問題になるのがそれぞれの相続分、つまり財産をどのような割合で受け取るのかという点です。民法では、配偶者と共同で相続人になる血族相続人が、子なのか、直系尊属なのか、兄弟姉妹なのかによって、配偶者と血族相続人それぞれの取り分の割合を定めています。この割合はあくまで法律上定められた目安であり「法定相続分」と呼ばれます。まず配偶者と子が相続人になる場合、配偶者の相続分は二分の一、子の相続分は残りの二分の一とされ、子が複数いる場合にはこの二分の一をさらに人数で均等に分けることになります。

次に、配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人になる場合、配偶者の相続分は三分の二、直系尊属の相続分は三分の一とされています。父母がともに健在であれば、この三分の一をさらに二人で均等に分けることになります。このように、血族相続人が子から直系尊属に移ると、配偶者の取り分の割合が二分の一から三分の二へと増える点が特徴です。これは、被相続人により近い世代である子がいない場合には、配偶者の生活保障をより重視するという考え方が反映されているとされています。

さらに配偶者と兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者の相続分は四分の三、兄弟姉妹の相続分は四分の一とされています。兄弟姉妹が複数いる場合には、この四分の一をさらに人数で分けることになりますが、前述のとおり半血の兄弟姉妹の相続分は全血の兄弟姉妹の二分の一となる点に注意が必要です。なお、配偶者がすでに亡くなっている場合や、そもそも婚姻していなかった場合には、血族相続人のみで財産を分けることになり、同順位の血族相続人が複数いればその人数で均等に分けるのが原則です。これらの割合は、あくまで血族相続人の「種類」によって定まるものであり、相続財産の内容(現金・預貯金・不動産・有価証券など)によって割合が変わることはありません。ただし、不動産のように分割しにくい財産が中心である場合には、法定相続分どおりに単純に分けることが難しく、代償金の支払いなど別の工夫が必要になる場合がある点は留意しておく必要があります。

配偶者と子/配偶者と直系尊属のケース

配偶者と子が相続人になる最も一般的なケースでは、配偶者が二分の一、子全体で二分の一という割合になります。子が三人いれば、二分の一をさらに三等分し、それぞれの子は六分の一ずつを相続分として持つことになります。実子と養子が混在していても、この均等に分けるという原則に変わりはありません。また、子の一人がすでに死亡しており、その子(孫)が二人いる代襲相続のケースでは、亡くなった子が本来受け取るはずだった相続分を、孫二人でさらに均等に分けることになります。

一方、配偶者と直系尊属が相続人になるケースでは、配偶者の相続分が三分の二、直系尊属全体の相続分が三分の一という割合になります。父母がともに健在であれば、三分の一をさらに二等分し、それぞれ六分の一ずつを相続分として持ちます。父母の一方がすでに死亡していて祖父母が代わりに相続人になることはなく、あくまで存命の父母のみで直系尊属側の相続分を分け合う点は、代襲相続が適用されない直系尊属特有の扱いとして押さえておく必要があります。これらの割合はいずれも遺産分割協議を進める際の目安として広く用いられています。子の人数が多い家庭ほど、一人当たりの相続分は小さくなりますが、これは法定相続分の計算上当然の結果であり、特定の子を優遇したり冷遇したりする意図があるわけではありません。均等に分けるという原則は、性別や出生順、婚姻の有無などによって左右されることはなく、すべての子が同じ基準で扱われる点が特徴です。

配偶者と兄弟姉妹のケース、配偶者がいない場合

配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースでは、配偶者の相続分が四分の三、兄弟姉妹全体の相続分が四分の一となります。兄弟姉妹が複数いる場合には、四分の一をさらに人数で分けますが、全血と半血が混在している場合には、単純な頭数での均等割りにはならない点に注意が必要です。たとえば全血の兄弟姉妹が一人、半血の兄弟姉妹が一人いる場合、半血の相続分は全血の二分の一となるよう調整した上で、四分の一を配分することになります。

被相続人に配偶者がいない場合、あるいは配偶者がすでに亡くなっている場合には、血族相続人のみで財産全体を分けることになります。この場合、最も優先順位の高い順位の血族相続人のみが相続人となり、その人数で均等に(全血・半血の違いがある場合はその調整を加えた上で)分けるのが原則です。たとえば子が二人だけであれば、配偶者がいない分、それぞれが二分の一ずつを相続することになります。このように、配偶者の有無によって血族相続人側の相続分の割合自体も変わってくるため、誰が相続人になるかの確定作業と、割合の計算は密接に関連しています。配偶者と兄弟姉妹の組み合わせでは、配偶者の取り分の割合が四分の三までさらに増える点からも分かるとおり、血族相続人の順位が下がるほど配偶者の法定相続分は大きくなる設計になっています。これは、被相続人により近い血族がいない場合には、生活を共にしてきた配偶者の保護をより手厚くするという考え方の表れとされています。

法定相続分はあくまで目安 遺産分割協議における位置づけ

ここまで見てきた法定相続分は、あくまで民法が定める目安であり、実際の遺産分割において必ずこの割合どおりに分けなければならないというものではありません。相続人全員が話し合いに参加し、全員が合意すれば、法定相続分とは異なる割合で自由に遺産を分割することが可能です。たとえば、長年被相続人の介護を担ってきた相続人により多くの財産を渡すことにしたり、特定の相続人が自宅を単独で相続する代わりに他の相続人に代償金を支払うといった形で、実情に応じた柔軟な分割を行うことができます。

このように相続人全員の合意によって自由に分割割合を決められる仕組みは「遺産分割協議」と呼ばれ、実務上非常に重要な位置づけを持っています。法定相続分はこの協議がまとまらなかった場合や、家庭裁判所の調停・審判に進んだ場合に基準として用いられる考え方であり、いわば「話し合いがまとまらないときの拠り所」としての性格が強いといえます。逆にいえば、相続人全員が納得できる形で合意ができるのであれば、法定相続分にとらわれる必要は必ずしもありません。

ただし、遺産分割協議による自由な分割が有効であるためには、法定相続人全員が協議に参加し、全員の合意が得られていることが前提となります。一部の相続人を除外して行われた遺産分割協議は、原則として無効とされます。そのため、協議を始める前段階として、誰が法定相続人であるかを正確に確定させる作業がきわめて重要になります。この点については、次のセクションで詳しく取り上げます。また、相続人の中に未成年者が含まれる場合や、判断能力が十分でない人が含まれる場合には、本人に代わって協議に参加する代理人(特別代理人や成年後見人など)を選任する必要が生じることがあります。このような手続きを経ずに成立した遺産分割協議は無効となる可能性があるため、相続人の状況に応じた対応があらかじめ求められます。

法定相続分と異なる分割ができる理由

法定相続分は、相続人同士の話し合いがまとまらない場合の基準として機能する一方で、実際の遺産分割はそれぞれの家庭の事情や相続人間の関係性を反映した、より柔軟な形で行われることが少なくありません。たとえば、特定の相続人が被相続人の生前に多額の生活費や学費などの援助を受けていた場合(特別受益と呼ばれます)や、逆に特定の相続人が被相続人の財産の維持・増加に特別に貢献していた場合(寄与分と呼ばれます)には、これらの事情を考慮して法定相続分から調整した割合で分割することも認められています。

また、不動産のように物理的に分割しにくい財産が遺産の大部分を占める場合には、一人の相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人に対して相応の代償金を支払うという代償分割の方法がとられることもあります。このように、法定相続分はあくまで出発点としての目安であり、実際の分割方法は相続人全員の合意のもとで、各家庭の実情に応じて柔軟に定められるという理解を持っておくことが、円滑な話し合いを進めるうえで役立ちます。特別受益や寄与分の主張は、相続人間の話し合いだけで解決しないことも多く、最終的に家庭裁判所の調停や審判に持ち込まれるケースもあります。そのため、これらの事情を考慮した分割を希望する場合には、根拠となる資料(贈与を裏付ける書類や、貢献の内容を示す記録など)をできる限り整理しておくことが、話し合いを円滑に進める助けになります。

遺産分割協議書作成時の留意点

相続人全員の合意によって遺産の分割方法が決まったら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめておくことが望まれます。遺産分割協議書は、後日相続人間で「言った・言わない」といった認識の食い違いが生じることを防ぐとともに、不動産の名義変更や預貯金の解約・払い戻しといった各種手続きの際に、金融機関や法務局に提出する書類としても必要になります。協議書には、相続人全員が実際に合意した内容を正確に記載し、相続人全員が署名・押印(実印)を行うのが一般的です。

作成にあたっては、対象となる財産を漏れなく特定して記載することや、代償分割を行う場合にはその金額や支払時期を明確にしておくことなど、後々のトラブルを避けるための工夫が必要です。また、遺産分割協議書に押印する実印については、印鑑登録証明書もあわせて用意しておく必要があります。相続人の中に遠方に住んでいる人や、体調上の理由で直接署名・押印が難しい人がいる場合には、書類のやり取りに時間がかかることもあるため、余裕を持ったスケジュールで進めることが望ましいといえます。遺産分割協議書は一度作成すると、相続人全員の合意がない限り内容を後から覆すことは難しいため、財産目録を事前に整理し、漏れがないかを慎重に確認したうえで作成することが望まれます。不動産については登記事項証明書、預貯金については残高証明書など、裏付けとなる資料をそろえておくと、内容の正確性を確認しやすくなります。

戸籍調査による相続人確定の重要性

遺産分割協議を有効に成立させるためには、その前提として法定相続人全員を正確に確定させる作業が欠かせません。この作業は、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本など)を取り寄せ、そこに記載された内容を一つひとつ確認していくことによって行われます。日常生活の中で家族として認識している範囲と、戸籍上に記載されている法律上の親族の範囲とが、必ずしも一致するとは限らない点が、この作業を重要にしている理由の一つです。

実際の相続手続きの現場では、戸籍を調査していく過程で、それまで家族が把握していなかった相続人の存在が判明することが少なくありません。たとえば、被相続人が認知した子がいる場合、その子は法律上の子として相続人になりますが、家族がその存在を知らされていなかったというケースは珍しくありません。また、被相続人に前婚歴があり、前の配偶者との間にもうけた子がいる場合、その子も現在の家族とは別に相続人としての権利を持つことになります。これらのケースでは、後になって判明した相続人を除いて進めていた話し合いが、すべてやり直しになってしまうこともあります。

戸籍の調査は、被相続人の本籍地の変遷をたどりながら、複数の市区町村役場に対して謄本を請求していく必要があり、本籍地を何度も移していた人の場合には、取り寄せる戸籍の数が多くなり、相応の時間と手間がかかります。相続手続き全体をスムーズに進めるためにも、この戸籍調査は早い段階から着手し、相続人の範囲を確定させたうえで遺産分割協議に臨むことが望ましいといえます。戸籍の記載内容は、専門知識がないと読み解きにくい独特の様式で書かれていることも多く、離婚・養子縁組・認知といった身分事項がどこにどのように記載されているかを見落としてしまうと、相続人の一部を見逃したまま手続きを進めてしまう危険があります。そのため、戸籍の内容を丁寧に確認する作業は、相続手続き全体の信頼性を支える重要な工程と位置づけられます。

認知した子や前婚の子が判明するケース

被相続人の戸籍を出生までさかのぼって確認していく中で、家族がそれまで知らなかった子の存在が明らかになることがあります。代表的な例として、婚姻関係にない相手との間に生まれ、被相続人が認知の届出を行っていた子が挙げられます。認知された子は、法律上被相続人の子として扱われ、他の子と同様に第一順位の相続人としての地位を持ちます。認知の事実は戸籍に記載されるため、生前に家族へ伝えられていなかったとしても、戸籍を確認する過程で判明することになります。

同様に、被相続人に離婚歴があり、前の配偶者との婚姻期間中にもうけた子がいる場合、その子は現在の配偶者やその子とは別に、独立した相続人としての権利を持ちます。前婚の子とは長年交流がなく、現在の家族がその存在自体を知らなかったというケースも実務上少なくありません。このような場合、遺産分割協議には前婚の子にも必ず参加してもらう必要があり、連絡先を調べて連絡を取るところから始めなければならないこともあります。認知した子や前婚の子の存在は、家族関係にとってデリケートな話題であることも多いため、判明した際には落ち着いて事実関係を整理し、専門家の助言を得ながら対応を進めることが望まれます。認知や前婚の子の存在が判明した場合、感情的な反発から遺産分割協議がこじれてしまうこともありますが、法律上はその子も他の相続人と同じ権利を持つ以上、協議から除外することはできません。むしろ早期に事実関係を共有し、専門家を交えて冷静に話し合いの場を設けることが、無用な対立を避けるうえで有効とされています。

戸籍収集の具体的な流れ

相続人を確定するための戸籍収集は、まず被相続人の死亡時の戸籍謄本を取得し、そこに記載されている情報をもとに、一つ前の戸籍(転籍や婚姻、法改正による改製などによって作られた以前の戸籍)をさかのぼって請求していくという流れで進めます。最終的に、被相続人が生まれた時点の戸籍にまでたどり着くことで、出生から死亡までの一連の戸籍がそろい、その間に認知や養子縁組、婚姻・離婚などがあったかどうかを確認することができます。

本籍地を一度も移していない人であれば必要な戸籍の数は少なく済みますが、進学や就職、結婚などを機に本籍地を何度も移している人の場合には、複数の市区町村役場にまたがって戸籍を請求する必要があり、収集に数週間から数か月程度かかることもあります。郵送での請求も可能ですが、必要な戸籍の範囲や請求先を正確に把握するには一定の知識が求められるため、相続人の数が多い場合や家族関係が複雑であることが予想される場合には、早い段階で専門家に相談し、戸籍収集を含めた相続人調査を依頼することも一つの選択肢です。戸籍がすべてそろい、相続人の範囲が確定して初めて、遺産分割協議を安心して進めることができるようになります。本籍地の変更履歴が多い場合には、遠方の役場に郵送で請求書類を送り、返送を待つというやり取りを何度も繰り返す必要があり、収集作業に想定以上の時間がかかることもあります。相続税の申告や不動産の名義変更には期限が定められている手続きもあるため、戸籍収集はできるだけ早い段階から着手しておくことが望まれます。

複雑な家族関係における相続手続きの注意点

近年は離婚・再婚や養子縁組を経験している家庭も珍しくなく、家族構成が複雑になるほど、相続人の範囲や相続分の計算も複雑になりやすい傾向があります。たとえば、被相続人が再婚しており、前の配偶者との間に子がいる一方で、再婚後の配偶者との間にも子がいるという場合、前婚の子と再婚後の子は、法律上は同じ第一順位の相続人として扱われ、相続分にも差は設けられません。しかし、前婚の子と再婚後の家族との間には、日常的な交流がほとんどないということも多く、遺産分割協議の話し合いそのものが難航しやすい要因になりがちです。

また、再婚相手の連れ子については、被相続人と法律上の親子関係を持たない限り、そのままでは相続人にはなりません。連れ子に財産を相続させたいと考える場合には、養子縁組の手続きを行い、法律上の親子関係を成立させておく必要があります。逆に、養子縁組をしないまま「実の子のように育ててきた」というだけでは、法律上の相続権は発生しない点も、家族構成が複雑な家庭においてしばしば見落とされがちな注意点です。

このように、離婚・再婚・養子縁組が絡む家族構成では、法律上の親子関係の有無を一つひとつ丁寧に確認しながら相続人を確定していく必要があり、家族の記憶や認識だけに頼ると誤った前提で手続きを進めてしまう危険があります。相続関係が複雑になりそうな場合には、早い段階で税理士や司法書士、弁護士といった専門家に相談し、戸籍調査から相続人の確定、相続分の計算、遺産分割協議書の作成まで、一連の流れについて助言を受けながら進めることが、後々のトラブルを防ぐうえで大きな助けになります。このほか、被相続人が事業を営んでいた場合や、複数の不動産を所有していた場合など、財産関係自体が複雑なケースでは、家族関係の複雑さと財産関係の複雑さが重なり合い、相続手続き全体の難易度がさらに高くなることがあります。こうした場合には、相続人の確定作業と並行して、財産の全体像を整理する作業も早めに進めておくことが望まれます。

離婚・再婚・養子縁組がある場合の留意点

離婚や再婚を経験している家庭では、前婚で生まれた子と再婚後に生まれた子がともに相続人になる可能性があり、それぞれの相続分は法律上同等に扱われます。しかし、前婚の子と再婚後の家族が長年疎遠であったり、そもそも面識がなかったりするケースも多く、遺産分割協議を行う段階になって初めて顔を合わせるということも珍しくありません。このような場合、感情的な行き違いが生じやすく、話し合いが円滑に進まないことも想定しておく必要があります。

養子縁組についても、普通養子縁組か特別養子縁組かによって、実の父母との相続関係が続くかどうかが変わってくる点はすでに触れたとおりです。加えて、再婚相手の連れ子と養子縁組をしていない場合には、どれだけ長く同居し家族として生活していたとしても、法律上はその連れ子に相続権が発生しない点にも注意が必要です。連れ子に財産を残したいという意向がある場合には、養子縁組の手続きを検討するか、遺言によって遺贈するなど、生前のうちに何らかの対応をとっておくことが望まれます。家族構成が複雑な場合ほど、法律上の親子関係を戸籍で正確に確認する作業の重要性が増すといえます。再婚後の配偶者との間で新たに養子縁組を行うかどうかは、家族の状況に応じて慎重に判断すべき事柄であり、縁組をするかどうかによって将来の相続関係が大きく変わります。縁組をしないまま長年生活を共にしてきた場合には、生前に遺言を作成しておくなど、相続権の有無にかかわらず財産を渡したい人へ確実に承継させるための備えを検討することも一つの方法です。

専門家へ相談することの重要性

相続人の範囲や相続分の計算は、家族構成がシンプルなケースであれば比較的分かりやすいものですが、離婚・再婚・養子縁組・認知といった事情が一つでも絡んでくると、判断が難しくなる場面が一気に増えます。誰が法定相続人にあたるのか、代襲相続は発生するのか、全血と半血で相続分の計算がどう変わるのかといった点を、家族だけの知識で正確に判断するのは容易ではありません。判断を誤ったまま遺産分割協議を進めてしまうと、後になって協議自体が無効になったり、想定していなかった相続人との間で新たな話し合いが必要になったりする可能性があります。

こうしたリスクを避けるためには、相続が発生した早い段階で、税理士や司法書士、弁護士といった専門家に相談することが有効です。専門家に相談することで、戸籍の収集から相続人の確定、法定相続分の計算、遺産分割協議書の作成、さらには相続税の申告が必要かどうかの判断まで、一連の手続きを見通しを持って進めることができます。特に相続人の数が多い場合や、家族関係が複雑であることが事前に分かっている場合には、できるだけ早期に専門家へ相談し、必要な調査や手続きの進め方について具体的な助言を受けておくことをおすすめします。専門家に相談する際には、家族構成や把握している範囲の情報をできるだけ整理したうえで伝えることで、必要な戸籍の範囲や想定される相続人の候補について、より具体的な見通しを得やすくなります。早期の相談は、手続きの遅れを防ぐだけでなく、相続人間の無用な誤解や対立を未然に防ぐことにもつながります。相続人の確定や相続分の計算は、いったん誤った前提で進めてしまうとやり直しの負担が大きいため、複雑さを感じた時点で早めに相談することが結果的に手間と時間の節約につながります。

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